Wednesday 31 October 2012

Design & Thinking、不思議な夕方。

皆様、モイ。
ヨシコです。

昨日は夕方から面白そうなミニセミナーに行ってきました。
テーマは、デザイン。


デザインフォーラムフィンランド(Design Forum Finland)と、アールト大学の修士課程として設定されているインターナショナルデザインビジネスマネジメント(IDBM)プログラムの卒業生団体が共同で開催したこのセミナー。

メインは、ドキュメンタリー映画『Design & Thinking』の鑑賞でした。



Mu-Ming Tsai監督によって今年発表されたこの作品は、「デザインシンキング(Design Thinking)とはなんぞや?」ということに正面から向き合った内容。インタビューを中心に構成されており、ただ観ているだけでも楽しめました。

予告編は↓こちら。




「ロジカルシンキング」などの単語同様、一つの考え方、思考方法を意味する「デザインシンキング」。
恥ずかしながら私はほぼ初耳だったのですが、デザインの分野では2009年頃からブームになっている言葉だそうです。


映画のスタイルとして答えを観客に考えさせる終わり方だったこともあり、映画中も映画後のパネルディスカッション中も私の頭の中は混乱。笑。散々考えた挙げ句に「で、デザインシンキングって?」という問いに戻るという堂々巡り状態でした。


「何かを作り出すという意味でのデザイナーの存在は終わっている」というように私は理解しました。
現代のデザイナーの存在意義は、ずばり問題解決にある、と。

問題がある。

解決したい。

何が問題か精査する。

問題に対する新たなアプローチを形にする。

この思考全体が現代のデザインとして求められる形である、と。


ただ、何か私の中でこのプロセスを「デザイン」と呼んでしまうことに違和感が残りました。
お仕事をされている全ての方、お仕事のための勉強をされている全ての方が当てはまると信じたいですが、人の生産活動は本来全て↑の動機で発生しているはずです。ならば、世の中で頑張っている人は皆デザイナーなのか?と。


パネルディスカッションのスピーカーの一人、デザインコンサルタントの大手Fjord社ヘルシンキオフィスのオッリ・マンネルコスキ(Olli Mannerkoski)氏は、この私の疑問にぴったりくる発言をされていました。

曰く、「デザインシンキング」という言葉が現実のデザインビジネス分野ではほとんど機能していないそうです。これまでも現在も、↑のプロセスは「トランスフォーム」という言葉でビジネスの枠に収まっているとのこと。


ますます、デザインシンキングって誰のものなの?何なの?となりますよね。
奥が深そうです。笑。



多少の反発あり、疑問あり、アイデアあり、と頭の活性化に役立った夕方の2時間。
きっと答えは現在進行形で作られているのだと思います。



不思議な気持ちで会場を後にしました。



↑会場だったアールト大学、ヘルシンキ芸術デザイン大学キャンパスでパチリ。







Tuesday 30 October 2012

過去の栄光(?)を思い知る。

皆様、モイ。
よしこです。

10月28日日曜日は地方選挙の投票日。
フィンランド国内の各都市議会の議員選挙が一斉に行われました。
(日本の統一地方選挙方式に近い感覚です。)


大統領選挙などと異なり、国籍が無くても居住歴などに応じて選挙権が与えられます。
フィンランド人でない私にも選挙権があるので、当日は張り切って投票してきましたよ。笑。


↑公用語(上がフィンランド語、下がスウェーデン語)で「投票所」と書いてあるだけですが、記念にパチリ。笑。



実は投票日前に、外国人(非フィン、非日本)の友人から「選挙行くの〜?えー、すごいね。私は行かないかな。」と言われて猛反発した私。苦笑。

「あなたの一票が、ヘルシンキの未来を変えるかもしれないのよ!何言ってんの!行きなさいよ。」

としつこく言う私に、「ヨシコは、オバマか。笑。」と突っ込まれてしまいました。
本当に、こういう押しつけは我ながらイヤですねえ。苦笑。


話を戻して、選挙。

数多く居る候補者の中から自分の大切な一票を投じる人を探すのは大変。
今回はヴァーリコネ(vaalikone:vaali=選挙、kone=マシーン)と呼ばれるウェブサポートに随分お世話になりました。大手メディア各社がウェブ上に設置するヴァーリコネには、市政の各分野毎に数問の問題が設定されています。

数段階に分かれた選択肢の中から自分の意見に近いものをセレクトしながら進むと、最終的に自分の意見に近い順に候補者のマッチングリストが現れるという仕組みです。

もちろん段階の分け方、その根拠などによって、マッチングの精度はまちまちと言えます。
数社分を試す中で絞られる数名の候補者については詳細を自分で調べて、最終的には自己責任で支持者を決めることになります。


逆のマッチングと言いますか、自分の意見と最も反する意見の持ち主も見えてくるようになっているので単純に面白かったです。笑。

質問も具体的なので、答えているうちに自分の意見を自分で認識することにもなりますね。
例えば福祉分野では「児童ケア」と「高齢者ケア」に関する予算のどちらを優先すべきか問う内容もありました。究極!



今回の地方選挙では2008年実施の前回選挙より有権者数が111,402人増えて、4,303,064人。
投票率は3%ダウンの58.2%に留まりました。


今回当選された議員の方々の手で、各都市がより良い形で進んでいけると良いですよね。


最後は投票日の国旗を。

投票日は国旗掲揚日でもあります。なんだか清々しい!


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〈オマケ〉

前回2008年はトーロ(Töölö)地区に住んでいたので、投票所は国民年金会館本部(Kansaneläkelaitos)でした。言わずと知れたアルヴァ・アールト(Alvar Aalto)建築、50年代の作品です。

その時は何とも思わずに投票していましたが、今回の投票所(近所の高校の体育館)に行ってみて今更ながらあの時の幸運を思い知りました。笑。




Monday 29 October 2012

今日の癒し、2つ。

皆様、モイ。
よしこです。

わちゃわちゃしているうちに、月曜日も終わってしまいます。
やっとブログを書けて、ほっと一息です。

今日も刺激的な時間、楽しい瞬間がたくさんありましたが、中でもとっても幸せな気分になった癒しの瞬間を二つ、ここに書いておきます。


一つ目は、普段あまり電話のかかってこない友人からの思いがけない電話。
用事を頼まれただけだったのですが、元気そうな声を聞くことができて私も元気になりました。
電話って、良いですね。


二つ目は、いただいた花束の最後の一本になってしまったガーベラが長生きしてくれていること。
今日の夕方もまだ綺麗でした。



↑最後まで残ったのが、私の好きな赤というのも嬉しい!
花瓶に使っているグラスはカイ・フランク(Kaj Franck)が手がけた通称「トランペット」(Trumpetti)グラス。1958年から1967年にかけ生産されていたものです。グレーのこのグラスは、一輪でどんなお花を飾っても寂しくならず映えるので登場率が高いです。



嗚呼、良い一日でした。
明日も良い日になりますように。


Friday 26 October 2012

誰のサプライズだったのか。

皆様、モイ。
よしこです。

昨日は、朝からなんだかドキドキ、ソワソワ。。。
夕方に予定されていた尊敬する友人のバースデーパーティーにお呼ばれしていたからです。

ただのパーティーじゃないですよ。
ザ・サプライズパーティーです。笑。

企画は友人の奥様。奥様に詳細を聞いてからのあのワクワク感。
なんであんなに楽しいのでしょうね。笑。

プレゼントは何にしようか、ソワソワ。
ラッピングペーパーはお決まりのジョークでいつも出てくるピンク色にして・・。ソワソワ。
ああ、ソワソワ。

友人の家に到着して、お料理を手伝ったりなんだりしていながらも、「もう帰ってきちゃうんじゃないかな。」とドアの方が気になって気になって。他の友人が到着する度に飛び上がって驚いてしまいました。

・・・。
私がサプライズされてどうするのっていう話ですね。苦笑。
今さら気がつきましたけど、サプライズに不向きの性格みたいです、私は。


肝心の主役サプライズは大成功でした!
混乱しながらも喜んでくれた顔を見た瞬間に、体中のソワソワが喜びに変わりました。嗚呼、よかった。涙。


でもですね、サプライズ準備と主役登場にドキドキし過ぎて、乾杯した頃にはどっと疲れが・・。苦笑。
パーティーが始まってから一気に脱力してしまいました。。。とほほ。


今年40歳の友人。
あんなに素敵な時間を一生懸命アレンジしている奥様が隣に居て。
家全体が人で埋め尽くされる程にたくさんの友人が居て。
(新築のアパートメントがあって!笑。)
改めて、素敵だなあと思いました。

皆が順番にギフトやカードを手渡しながら、「おめでとう。」と伝えている風景を眺めていると私まで幸せを分けて貰った気持ちになりました。




あんな40歳になれるように、私も日々精進。
まずは、こんなに尊敬できる人と出会えた事に感謝ですね。



今週ももうすぐ終わってしまいますね。
いろいろあって、本当にあっという間です。皆様、お疲れ様でした。

充実した週末をお過ごしください。





Thursday 25 October 2012

来とる。

皆様、モイ。
よしこです。

いよいよ、来とるな。


という感じでしたよ。今朝は。
ゴミ出しにアパート中庭に出た瞬間に、宙をにらんで↑です。笑。


何が来てるってもちろん冬が、です。
まだまだ紅葉も残っていて秋なのですが、空気の冷たさから冬の足音が感じられるのです。
昨日まで来ていなくて、今日、正確には昨夜来たんですよ。冬のつま先くらいが。笑。



昨日の夕方まで5℃前後をふら〜っとしていた気温が突然昨夜マイナスゾーンにしゅーっと落ちていったわけですよ。

16時20分の観測記録によると、ヘルシンキ中心部(カイサニエミ地区)の気温が3℃。
このまま日曜日午前までは0℃の線から下、マイナスゾーンで気温がウロウロしそうな予報です。
(明日の朝はみぞれ雪かもしれません。ひえ。驚。)

来週の月曜日以降はまたプラス1桁に戻りそうなので、このまま冬に突入することはないでしょうけれど。

それにしても、うかうかしていられません。
秋にしようと思っていたこと、秋に履こうと思っていた靴。
早く実行しないと冬になってしまいます。あせあせ・・。


ひとまず、今日の冷たい空気と紅葉の美しさが少しでも伝わるようにお写真を載せてみます。

こんな感じや、


こんな感じ。



「う〜、さむっ。」ってなりましたか?笑。


明日のみぞれ雪予報、ちょっと緊張します。





Wednesday 24 October 2012

アパートメントステイ、はじめました。

皆様、モイ。
よしこです。

実は昨日からこっそりスタートしていたのですけれどね。
オフィスウタノのNewsページ、メインページでご紹介を開始したアパートメントステイのことです。

はい。
ヘルシンキでのアパートメントステイ、10部屋のご案内をいよいよスタートしました。

ヘルシンキの市内中心部に10部屋、オフィスウタノが物件を買ったんですよ。
嘘ですよ、もちろん。大嘘ですよ。

今回は現地オーナーさんと協力する形で実現となりました。
オフィスウタノは手配、メンテナンスの一部を担当しています。
(日本語サービスやご予約受付など)


10部屋中2部屋がタイプ1。ハカニエミ市場にもほど近いカッリオ地区にあります。
1-2名様で街の生活を味わいたい方にオススメです。

朝は市場にコーヒーを飲みに行っても良いですしね。
昨日ご紹介したあのカフェも近いので、夕方なんかはお散歩してから一杯というのも良いですね。

目印となるカッリオ教会も近いので迷う心配はありません。


こんな感じのキッチンがあるお部屋や、


こんな感じのダイニングスペースのあるお部屋です。



近所にはレストランやカフェ、バーなども多い上にメトロ、トラム(ハカニエミ駅)がすぐ近くです。
だれも聞いていませんが、オフィスウタノのオフィスも近いです。笑。


残りのお部屋は別の地区にあります。
また改めてじっくりとご紹介していきますね。

最後になりますが、アパートメントステイ手配開始の10%OFFキャンペーンを実施中です。
2012年12月31日までにご成約いただいたお客様は、もれなく総額より10%OFFでご利用いただけます。
(ご宿泊期間は来年以降でも大丈夫です。)

お問い合わせ、空室確認はyoshiko@officeutano.fiまでお気軽にどうぞ♪





Tuesday 23 October 2012

ヘルシンキ おすすめカフェ1

皆様、モイ。
よしこです。

昨日のお散歩+カフェについてもう少しご紹介しますね。

歩いたのはヘルシンキ市内マップにも登場するトーロ湾(Töölönlahti)沿いの散歩道。
1周2.5キロ程度という距離も手伝って、手軽なジョギングルートとしても人気があります。

昨日は北側を半周しました。

↓途中でパチリ。


↓黄色に染まった道を通る頃には、耳がすこーし痛くなりだしました。
帽子をきちんとかぶらずに長時間外に居るのは厳しい季節です。苦笑。


そして休憩+お仕事の続きをしたのはこのカフェです。



Cafe Piritta
住所:Elaintarhantie 12, 00530 Helsinki
電話:+358 (0)9 753 1732
無線LAN:パスワードなしで利用可能

アクセス:
ハカニエミ市場より西側にある海、エラインタルハ湾(Elaintarhanlahti)の北側を歩いて約10分。
トーロ湾とエラインタルハ湾を分ける鉄道線路のすぐ近く。

オープン:日ー火 9-21時、水ー土 9-23時

キッチン:
- ランチ 平日 11-14時
- お食事 平日 11-19時半、週末 12-19時半
- ラグジュアリーブレックファースト 平日 9-10時半
- ブランチ 週末 10-14時

イベント:
毎週水曜日20時からはテーマ別のイベント
毎週木曜日20時からはコンサートイベント
不定期金・土曜日夕刻からは観劇+コースディナーイベント


昨日も「ポンッ」のお話を書きましたが、夕方からはディナーをする方も多く活気が出ます。
昼間は赤ちゃんやお母さん達の声が聞こえたり、お仕事や打ち合わせらしきグループが見えたり、と割と落ち着いています。


↓店内は広々。


↓テラスからの眺めも綺麗です!今は静かですが・・。


今後もこのブログで、お気に入りのカフェをご紹介できればと思います。




Monday 22 October 2012

「ポンッ」の時間まで。

皆様、モイ。
よしこです。

1週間の始まりは、キラキラした朝から!



朝と言ってももう9時を過ぎていたと思いますが、神々しい光になんだかソワソワ。。。
体中にエネルギーがぐるぐる充満してくるようで、一人で「うわわーっ」となりました。苦笑。


紅葉も、この美しさ。




太陽の光って、本当に貴重なものですね。。。
感謝です。


今日のスケジュール最後の打ち合わせを終えた後、あまりに紅葉が綺麗なので少しお散歩をしました。
そのままオフィスに戻るのが惜しいので、紅葉が見えるカフェでお仕事の続きを。
黄色に囲まれながら、このブログを書いています。

でも・・。
さっき聞こえてしまったのですよね。
誰かがオーダーしたスパークリングワインの栓を、ウェイターが抜いている「ポンッ」という音を。笑。

良い音ですなあ。ポンッ。
私もシュワシュワを飲みたい。。。


ということで、もう少し頑張ってから私も「ポンッ」の時間にします。笑。



Friday 19 October 2012

一瞬に飛び込む。

皆様、モイ。
よしこです。

昨日の夜はとあるレセプションパーティーにお邪魔して集まった人達から直接、間接的にエネルギーをいただきました。

今日もその勢いのまま街へ。
朝からいろいろな方にお目にかかって、エネルギーをたくさん交換させていただいたように思います。
気づけば、1週間も終わりです。


こういう毎日の中で最近特に感じることがあります。
言葉にすると「ここでこの人と出会えなければ、こういう気持ちにはならなかっただろうなあ。」というような感覚なのですが、うまく伝わるでしょうか。

その時、その場に飛び込むことで出会える人、受ける気持ちの変化。

こうしたものをキャッチするかしないかは、本当に些細な日常の選択から生まれる違いのように思います。気持ちの変化を楽しみに生きている現在の私には、「キャッチできるか否か」、つまり日常の選択が非常に貴重なものです。


書類を作るのはオフィスにするか、カフェにするか
詳細を詰めるのはメールにするか、電話にするか、打ち合わせを設定するか
仕事の後はバーに行くか、家でゆっくりするか
友人の声を聞きに電話しようか、今度にしようか
夕ご飯は食べに行こうか、家で作ろうか、誰と食べようか


朝から晩まで、小さな選択の連続です。
楽しみを逃さないように気合いを入れて(笑)選択をし、一瞬に飛び込む。


この飛び込みの敵、と言えば「面倒くさい」という例の気持ちですからね。
今週はこの敵に惑わされることなく、目標に近い飛び込みが少しできたように思います。



今日の話題とは一見関係ないですが、昨日街で発見した不思議な広告(?)をここで少しご紹介します。

ご覧ください、これ。


これも。


これも。


これも。



日付と、「Ratkaise Tämä Ongelma(この問題を解決せよ)」というメッセージが書かれているだけの掲示。色だけやたらとたくさん種類があります。

まったく意味不明なんですよね。問題って?この日付は?この色の意味は?
謎しか出てきません。

きっと何かの広告なんでしょうけどね。
一瞬「告知したいの、したくないの?どっち?」なんてイラッときてしまいそうですが、苦笑、こういう出会いも大切にして注意深く追ってみたくなります。↑の「選択」の一つ、ですね。笑。



さてさて・・。
来週はオフィスウタノでも素敵なプロジェクトをリリースできそうな予感です。
おほほ。


皆様、今週もお疲れ様でした。
よい週末を!





Thursday 18 October 2012

予想するのは難しい。

皆様、モイ。
よしこです。

今週はずっと秋らしい雨と曇りのお天気が続いています。

昨日はザザーッときそうだったのではりきって長靴で出かけたら、ミストのような優しい雨しかなく。。
傘もささないような程度だったので、若干長靴損をしてしまいました。苦笑。


「今日もミストかな。」と油断して長靴なしの仕度をしたらば、今日は午後からしっかり雨です。笑。
窓がびっしり水滴で覆われています。うーん、濡れたら風邪をひきそうな雨です。
今日こそ長靴の出番だったのに。。。悔やまれます。


そういえば、先週日曜日はこんな感じで晴れだったんですけれどもね。




紅葉の見納めはこの日だったのかもしれません。
毎年、見納めが過ぎてしまってからこうして気づくんですよね。惜しい、私。



今日もあっという間にもうすぐ夕方です。
明日は金曜日。悔いの無い1週間を終えられるように、最後まで気を抜かずに進もうと思います。


明日も良い日になりますように。




Wednesday 17 October 2012

憧れの人のオーラを浴びに・・。

皆様、モイ。
よしこです。

心待ちにしていたセミナーが、昨日ヘルシンキでありました。
How to Boost Export with Design というテーマで、フィンランドから世界に向けたデザイン関連輸出を政策的、経済的にどのように活性化させていくべきかという講演、およびパネルディスカッションが行われました。ワールドデザインキャピタルとして「デザイン」にじっくりと向き合ってきたヘルシンキの姿勢を内側から見直す試みという部分もあり、若干衝撃的な発言も飛び出すなど充実の時間になりました。



↑開始前にパチリ。
会場は、ランチレストランとしても評判の高いイベントホールBANK(Unioninkatu 20)でした。


主催者の一部、スウェーデン人民党(Suomen ruotsalainen kansanpuolue)の党首で防衛大臣でもあるカール・ハグルンド(Carl Haglund)氏のオープニングスピーチは、早くも白熱した内容。優良なデザインを生み出すことのできるフィンランドのデザイン業界が、細分化されすぎた産業構造によってそのキャパシティを自ら狭めるような選択を強いられている現状を政治的な観点から指摘していました。将来的に「フィンランドはデザインの国〜」とあぐらをかいていられない状況を政治家がきちんと認識していてくれることに、心強い思いが湧きました。


ちょっと横道に逸れますが。。。
このブログでは特定の政党や政治家を支持することはしませんが、実は個人的にカール・ハグルンド氏には常に注目しています。33歳という若さで大臣職に飛び込む姿勢や能力はもちろん、2児の父であり、魅力的なスタイルを維持しているところも目が離せません。昨日の会場でも、オーラを浴びさせていただきました。笑。


講演はデザインを産業的観点から見つめる内容でした。
エレベーター等の製造で世界を牽引する企業コネ(KONE)社、デザイン部門からはアンネ・ステンルース(Anne Stenros)氏が将来的展望についてお話されました。

フィンランドがヨーロッパの中でクリエイティブな発信地としての地位を得られていない現状、世界的には中国、インドなどが大きな成長を遂げる方向にあることなど、ある意味で厳しい現実を突きつけられる内容。ステンルース氏が中国に関わりの深い経歴をお持ちであることを差し引いても、議論の中に「日本」という存在が全く出て来ない状況にも闇を感じました。苦笑。総じて耳の痛い話でしたが、同時に力も湧いてくる栄養価の高いお話でした。


もう一人の講演者は、フィンランドのデザインビジネス業界で憧れの的として語られることの多いマリン・グロープ(Malin Groop)氏。2009年から今年までマリメッコ(Marimekko)社の急成長をマーケティングマネジメントの面で支えた立役者の一人です。

経済的な数字で見るフィンランドのデザイン業界は、やっぱりショッキングな側面が多々。
ビジネスという意味で多大な成功例を残しているお隣スウェーデンやデンマークとの比較では、グロープ氏自身のビジュアルや、彼女のプレゼンテーションから感じるクリエイティブなイメージ以上のインパクトを感じました。成功への鍵も、彼女が唱えると説得力が違います。笑。


セミナー後半のパネルディスカッションも非常に興味深い顔ぶれが揃い、笑いあり唸り(!)ありの1時間でした。

「失敗を恐れすぎる傾向にある」と指摘されたフィンランド人のメンタル面。
「フィンランドでの起業は、若干頭がおかしくないと実行できない。少なくとも設立から2年は無給覚悟だからね。」という衝撃の一言。
「プロダクトでもサービスでも、デザインは幸せな生活を作るということ。美しいもの、スタイルを作るのではない。」というデザイン論。
「イメージで世界は動かない。作っているもののクオリティを置き去りにするようなことがあってはならない。」という格言。


デザイナー、起業家、大企業役員などそれぞれの立場でデザインに関わってきた「成功者」の言葉はどれも自由でざっくばらん。勉強になりました。(最も発言が正直だったのは、アラビア(Arabia)のエゴ(EgO)シリーズなどを手がけたステファン・リンドフォース(Stefan Lindfors)氏でした。笑。)




↓帰り道に、港の近くでパチリ。




ピンチはチャンスと言いますか、フィンランドのデザインは今後の取り組み方によって如何様にも成長していくような予感がしています。セミナーで出会ったデザインに関わる人々、起業家の人々、それぞれの毎日の努力がこの国をどんな風に変えていくのか、自分は何ができるのか、心の底からワクワクする気持ちをお土産に、帰り道を急ぎました。



今日は朝から猛烈に元気です。笑。





Tuesday 16 October 2012

我が家へようこそ、ヨハンナ・グリクセン。

皆様、モイ。
よしこです。

Habitareで始まった秋。
キッチン用品や家具、インテリアの宣伝や特集を見かける頻度が夏に比べてグンと高くなったように感じます。

やっぱり外で太陽を楽しむ夏から、家の中でのんびりする秋に、ということなのですよね。
寒さと暗さで必然的に家の中に関心が向く時期ですしね。


この習慣、はたまた商戦(?)の波に乗って、ここのところ平日の夕方や週末を使って家の中のお手入れを少しずつ進めています。本当は大規模に模様替えでもしたいところですが、気力が追いつかないので細々とした部分を。。笑。

シャワーカーテンを新調したり。
バスルームのキャビネットランプを取り替えたり。
バスルームの小物を買い替えたり。
玄関の照明の種類を変えたり。
キッチンに新しくハンドミキサーを買ったり。
ダイニングテーブルの椅子を張り替えたり。


毎日の生活で不便に感じていたり、古くなったりしていた物を少しずつ変えただけですが、随分気持ちよく生活できるようになりました。これから冬の間に家で過ごす時間が快適になる予感です。


一連のちょこちょこした改良で感じた愉快なことを一つ。
買い替えや取り付けなど短時間の簡単な改良が多かった中で、椅子の張り替えは道具を使って「手」を動かしました。

古い生地をはがして、座面を綺麗にして、新しい生地をカットして張り付けて、最後に椅子に組み直して。。。道具を使って、手を動かす時間は自分がとても逞しくなったようで、楽しい気持ちになります。

全部で四脚張り替えましたが、一脚目はおっかなびっくりだった動作も四脚目には流れるように進みます。できなかったことができるようになる喜びをダイレクトに感じられて、なんとも愉快な時間でした。



記念に完成した椅子のお写真をパチリ。





これまで使っていたのは5年前に張った無地の布地。
新しく使ったのはフィンランドのテキスタイルメーカー、ヨハンナ・グリクセン(Johanna Gullichsen)のグレーの布地。「これから何年かお世話になります。よろしくお願いします。」という気分です。笑。




Monday 15 October 2012

先週のヤンニッタヴァピーク。

皆様、モイ。
よしこです。

フィンランド語に jännittävä っていう単語があるのですけれども。
「ヤンニッタヴァ」に近い音です。
英語のthrillingに近い形容詞で、「興奮する、ドキドキする、緊張する、ナーバスになる」のような状態を表します。良い意味でストレスを感じている状態と言いましょうか、ポジティブに使われることが多いように思います。

先週が私にとってまさにヤンニッタヴァの嵐でして、ジェットコースターのような毎日でした。
ありがたや、ありがたや。

ピークはご視察のご案内。私自身も興味をもっていた分野をピンポイントでご依頼をいただき、ご案内の運びとなりました。


私が関心を持っていた分野とは、コレです。





冗談でもなく、本当にこのロゴに興味をひかれたのが数年前のことでした。
街中で見かける作業車についたロゴがあまりに可愛いので、「あれは、何ぞや?」と。

ウェブページを頼りに情報を紐解いた先には、ヘルシンキ地区環境サービス、HSY(Helsingin seudun ympäristöpalvelut)の存在がありました。ヘルシンキ市及び周辺メトロポリタンエリアのゴミ、水道(上下)など衛生分野を管轄する公的機関です。

知れば知るほど独特で、機能的で、何より市民の生活インフラを確かな技術で支えているHSY。
「ロゴを見込んだ私は間違っていなかった!」というような気分で、どんどんファンになっていきました。(←何様なのでしょうか、この目線。。苦笑。)


今回はこのHSYの中でも主要部門である水道局、下水道に関するご視察を手配・ご案内させていただきました。当日は現地職員の方との間でお話もヒートアップ!予定時間を超える充実の内容となりました。

ご視察先でのお客様の真剣なお顔、写真を撮影される後ろ姿、帰り道に伺った将来への熱のこもった展望・・。
思い出す度に、微力ながらもお手伝いをさせていただけたことの幸運を噛み締めています。


国境を超えたお仕事、素敵です。
お客様の展望が現実に向かっていくことを、心から願っています。
ご利用いただきましたお客様、ありがとうございました。



オフィスウタノのご視察手配はご依頼いただいた分野に関してお見積もりをご提案するスタイルを取っていますが、今後はこちらから様々な分野のご提案などもしていきたいと思います。(今のところ、コーヒー焙煎所に私の関心ブームがきています。大きな工場と小さなロースタリーの比較視察など、実現できたらこれまたヤンニッタヴァです。)


「フィンランドでこんな分野のプロと出会ってみたい。」という皆様、是非一度メールにて yoshiko@officeutano.fi までご連絡ください。




Thursday 11 October 2012

頭に浮かんだ景色は。

皆様、モイ。
よしこです。

今日のヘルシンキは穏やかな秋の一日でした。
老舗デパート、ストックマン(Stockmann)では半年に一度のクレイジーセールが進行中。
太陽が隠れたままの灰色の街には、おなじみの黄色の袋を下げた人々がたくさん、たーくさん。


「ああ、秋なのだなあ。」と心底感じる風景でした。
(移動中だったので、残念ながらお写真がありません。想像で補っていただければと思います。苦笑。)



街の人々、生活を目にしながら、私の頭に強烈に浮かんで来たのは先日お客様をご案内した森の風景でした。雨が多く曇り空が続く秋ですが、この灰色と紅葉の組み合わせは奇跡のような美しさ。




ゆっくりコーヒーを召し上がっていただいた時間と、焚火の柔らかな明るさが懐かしく思い出されました。つい先日のことなのに、不思議です。血中の森濃度(?)が下がってきているのかもしれません。笑。


これはコーヒーと共にお持ちした紅茶。
選んでいただくのも楽しかったですねえ。



森へのご案内は1名様から、ご予算に合わせて交通などプランの上、オフィスウタノがお見積いたします。

yoshiko@officeutano.fiまでお気軽にお問い合わせください。







Wednesday 10 October 2012

ぽりぽり。

皆様、モイ。
よしこです。

今日もあっという間に終わりですねえ。



ぽりぽり。。。


明日も良い日になりますように。

Tuesday 9 October 2012

今日のご褒美。

皆様、モイ。
よしこです。

有難いことにやることが山積みの火曜日でした。
ワーワーワー、としている合間に窓の外を見ると、ザーザーの雨。

「あ、雨だ。。。」

とぼーっとしそうになりながらも、次のワーワー。


忙しくしていられると雨につられてぼーっとすることもなく良いのかもしれません。笑。


今日の楽しみは食後のお茶とクッキーです。ひひひ。



先日いただいたストックホルム、Magnus Johanssons Bageri & Konditoriのチョコレートクッキー。
「ストックホルムで1番美味しいベーカリー!」という評判つきでいただいたので、真夜中だというのにいただいたその日に1枚。

!!!

あまりに美味しくて、言葉が出ませんでした。笑。


「美味しい=サクサク=バターたっぷりなはず」なので一度にたくさん食べるわけにもいかず、少しずつ楽しみにいただいているのです。

雨降りの夕方はバーに行くのも億劫ですしね。
お仕事が全部終わったら、家にまっすぐ!ご飯を済ませてお茶タイムでゆっくりします。

嗚呼、クッキー。クッキー♪
もう少し頑張ります。笑。




Monday 8 October 2012

キャンドルと靴下。

皆様、モイ。
よしこです。

ちょっとブログ更新をご無沙汰してしまいましたね。

週末はとっても良いお天気でしたが、家に籠もりっきりでした。
体を休めたり、溜まってしまったお仕事をしたり、ゆっくり時間が過ぎていったように思います。

明けて週のはじまり月曜日の今日は、雨と風のどんより空。
良いお天気を窓の外にしか見られなかったことが、やはり悔やまれます。苦笑。


週末に撮影したお写真をご紹介します。


大きなキャンドルに火を灯すのは、この秋初めてです。ついにこの時期がきたか〜という感じがします。




お部屋の中でゆっくりする時には、スリッパから毛糸の靴下へ。
これもこの秋初めてです。



ちょうど黄色と焦げ茶色のしましまだったので、蜂みたいですね。笑。
この靴下はいただきものだったので、くださった方のお顔を思い出して心もあたたかくなった夕方でした。


Wednesday 3 October 2012

人生の節となる旅。

皆様、モイ。
よしこです。


※今日はいつにも増して理屈っぽくなりそうです。苦笑。「げ〜。」という皆様は、どうぞ最後のお写真だけでもご覧くださいね。笑。


今日はアールト自邸、アールトアトリエの2箇所を巡るツアーをリクエストいただき、カフェに立ち寄りながらゆったりとした午後をご案内させていただきました。


お客様との時間は、発見の連続。
こちらがお伝えする情報と同じように、お客様から発信される情報にも多くの気づきをいただく時間です。

今日の発見は、「旅」そのものについての私の考えを大きく広げてくれたように思います。

これまで私が「知らない世界」を掘り起こす作業として認識していた「旅」という時間。
「知らないを知る」という行為自体が「新しい自分を作る」というふうに考えていますので、お客様の旅のサポートもこの姿勢で形作ってきました。(この点については、改めていつか言葉にしたいと思っています。)

これももちろん真ではあるのですが、「旅」には他にも真と呼べる側面があるということをお客様の体験を通じて教えていただきました。

「旅」の他なる側面とは・・。
年を重ねて、いろいろな人生の局面を超えているからこその「旅」と言ったら良いでしょうか。
「人生の節」となる「旅」ということですね。(少々ずれますが、「区切る」と近いです。)

旅先の地で、家族のルーツに出会ったり。
旅することで、人生の出来事をひとつのまとめとして集約したり。
旅自体が、人生の次の扉を開ける布石として存在していたり。


「何があるかな。わくわく♪」という非日常の旅とはまた違う、人生の一部としての旅。
「いろいろあるのよね、人生は。」と言えるだけの経験が無いと体験できない旅ですね。


私自身、「フレッシュ!」という若さはありませんが、苦笑、まだまだ人生という意味では若輩者です。
人生の節を形作る旅を経験するには、年齢も経験もまだまだ足りません。

自分自身の目標としては、いつかこうした旅を経験できるように毎日をしっかり生きたいと強く思います。そして、オフィスウタノとしては、こうした形の旅ももっとお手伝いできるように動いていきたいと思います。

とても素敵な時間をご一緒させていただきました。
お客様に心から感謝です。ありがとうございました。






Tuesday 2 October 2012

お買い物、と映画祭。

皆様、モイ。
よしこです。

突然ですが、日常のお買い物ってどんなところに、どのくらいの頻度でいらっしゃいますか?

生活していれば必ず必要なお買い物。牛乳や卵や、パン、バター、野菜に果物・・。
家族の人数や、年齢構成にもよるでしょうけれど、やっぱり週に複数回は必要ですよね。

以前はあまり好きではなかったこの作業が、ここのところ非常に気に入っています。
特別な所に行くわけではなくて、スーパーマーケットや近所の市場に行く程度ですが、注意して眺めると意外に発見が多い。お店に対して、自分に対して増えて行く発見が面白いのです。


季節の移り変わり
自分の食に関する好み
普段口にしているものの生産地
パッケージデザイン


最近気づいたのは野菜の味の濃さ。
やっぱり旬が過ぎていくと、味がだんだんと薄くなっていくということが実感として分かりました。
フルーツもやっぱり季節のものが美味しいですよね。最近はぶどうばっかり買ってしまいます。笑。


他にもありますよ。自分のチーズの好み、とか。笑。
特別チーズ好きという認識は無かったのですが、気づくと必ずチーズを買っていました。笑。
モッツァレラチーズかフェタチーズを無意識に交代で買っていることに気づいた時の驚きと言ったら・・。たまにはローテーションに別のチーズも加えてみようかとシェーブルチーズを買ってみたらば余りに口に合わず大変なことになりました。笑。


市場のチーズ屋さんであれこれ相談しながら新しい種類に挑戦するのが最近の楽しみです。


「時間がない!」とワタワタ買い物を済ませてしまうこともありますが、日常に必ず必要なこの時間を無自覚に通り過ぎてしまうのはもったいないなあと改めて実感しています。



さて、今日のお写真は何にしましょうか。
お買い物の写真もありませんので、先週行った映画祭のお写真にしましょうか。

オフィスウタノのページでも少しご紹介した第二十五回ヘルシンキ国際映画祭は先週末を以て無事に終了しました。

↓こんな階段を上った先の劇場であった上映。(映画祭自体は複数の劇場で行われました。)



私が観に行ったのは、石井克人監督の『Smuggler』。(日本でのタイトルは『スマグラー おまえの未来を運べ』ですね。)

日本映画を観たいと言っていたら友人が誘ってくれたこの作品。
私にはちょっと衝撃的すぎましたが、久しぶりに手に汗握って映画を観ることができて良かったです。笑。

↓ロビーのコーヒースタンド。


映画前で興奮しすぎてあまり良い写真が撮れませんでしたが、こういうスタンド的なものも映画館の要素として大好きです。





Monday 1 October 2012

ベリークイズのプレゼント。

皆様、モイ。
よしこです。

新しい月曜日、新しい10月が始まりましたね。
今日のヘルシンキは少し雨もぱらつき、どことなくゆったりとした雰囲気のスタートになりました。


さて、先日このブログで開催(?)したベリーのクイズ
回答をくださった方にお送りしたプレゼントが届いたとのご連絡をいただきました。

ということで、こちらでもご紹介。
じゃじゃ〜ん。




「何かおいしいものを」ということで、私が気に入って食べているドライベリーを選びました。
ブルーベリーとクランベリーです。

ひまわり油と砂糖少々、あとはベリーそのものをそのまま封してあるので酸味も自然。パッケージを開けた瞬間に森、です。笑。

私は朝のフルーツの代わりにヨーグルトに入れたり、お菓子を焼く時に混ぜたり、時にはそのままおやつに食べています。お送りしたマイタケさんの生活にもどこかで登場してくれると良いな〜と思っています。


そういえば・・。
メッセージを書いたカードは、フィンランド国内でも海外でも注目を集めているイラストレーターのデザインスタジオ、Polkka Jamの作品。

ベリージュース(Marja Mehu)のかわいいイラストです。

この他にもたくさんPolkka Jamのカードを買ったんですよね、この前。
送る相手の顔を思い浮かべて買ったものもあるので、まだまだ楽しみが残っています。笑。