Wednesday 17 October 2012

憧れの人のオーラを浴びに・・。

皆様、モイ。
よしこです。

心待ちにしていたセミナーが、昨日ヘルシンキでありました。
How to Boost Export with Design というテーマで、フィンランドから世界に向けたデザイン関連輸出を政策的、経済的にどのように活性化させていくべきかという講演、およびパネルディスカッションが行われました。ワールドデザインキャピタルとして「デザイン」にじっくりと向き合ってきたヘルシンキの姿勢を内側から見直す試みという部分もあり、若干衝撃的な発言も飛び出すなど充実の時間になりました。



↑開始前にパチリ。
会場は、ランチレストランとしても評判の高いイベントホールBANK(Unioninkatu 20)でした。


主催者の一部、スウェーデン人民党(Suomen ruotsalainen kansanpuolue)の党首で防衛大臣でもあるカール・ハグルンド(Carl Haglund)氏のオープニングスピーチは、早くも白熱した内容。優良なデザインを生み出すことのできるフィンランドのデザイン業界が、細分化されすぎた産業構造によってそのキャパシティを自ら狭めるような選択を強いられている現状を政治的な観点から指摘していました。将来的に「フィンランドはデザインの国〜」とあぐらをかいていられない状況を政治家がきちんと認識していてくれることに、心強い思いが湧きました。


ちょっと横道に逸れますが。。。
このブログでは特定の政党や政治家を支持することはしませんが、実は個人的にカール・ハグルンド氏には常に注目しています。33歳という若さで大臣職に飛び込む姿勢や能力はもちろん、2児の父であり、魅力的なスタイルを維持しているところも目が離せません。昨日の会場でも、オーラを浴びさせていただきました。笑。


講演はデザインを産業的観点から見つめる内容でした。
エレベーター等の製造で世界を牽引する企業コネ(KONE)社、デザイン部門からはアンネ・ステンルース(Anne Stenros)氏が将来的展望についてお話されました。

フィンランドがヨーロッパの中でクリエイティブな発信地としての地位を得られていない現状、世界的には中国、インドなどが大きな成長を遂げる方向にあることなど、ある意味で厳しい現実を突きつけられる内容。ステンルース氏が中国に関わりの深い経歴をお持ちであることを差し引いても、議論の中に「日本」という存在が全く出て来ない状況にも闇を感じました。苦笑。総じて耳の痛い話でしたが、同時に力も湧いてくる栄養価の高いお話でした。


もう一人の講演者は、フィンランドのデザインビジネス業界で憧れの的として語られることの多いマリン・グロープ(Malin Groop)氏。2009年から今年までマリメッコ(Marimekko)社の急成長をマーケティングマネジメントの面で支えた立役者の一人です。

経済的な数字で見るフィンランドのデザイン業界は、やっぱりショッキングな側面が多々。
ビジネスという意味で多大な成功例を残しているお隣スウェーデンやデンマークとの比較では、グロープ氏自身のビジュアルや、彼女のプレゼンテーションから感じるクリエイティブなイメージ以上のインパクトを感じました。成功への鍵も、彼女が唱えると説得力が違います。笑。


セミナー後半のパネルディスカッションも非常に興味深い顔ぶれが揃い、笑いあり唸り(!)ありの1時間でした。

「失敗を恐れすぎる傾向にある」と指摘されたフィンランド人のメンタル面。
「フィンランドでの起業は、若干頭がおかしくないと実行できない。少なくとも設立から2年は無給覚悟だからね。」という衝撃の一言。
「プロダクトでもサービスでも、デザインは幸せな生活を作るということ。美しいもの、スタイルを作るのではない。」というデザイン論。
「イメージで世界は動かない。作っているもののクオリティを置き去りにするようなことがあってはならない。」という格言。


デザイナー、起業家、大企業役員などそれぞれの立場でデザインに関わってきた「成功者」の言葉はどれも自由でざっくばらん。勉強になりました。(最も発言が正直だったのは、アラビア(Arabia)のエゴ(EgO)シリーズなどを手がけたステファン・リンドフォース(Stefan Lindfors)氏でした。笑。)




↓帰り道に、港の近くでパチリ。




ピンチはチャンスと言いますか、フィンランドのデザインは今後の取り組み方によって如何様にも成長していくような予感がしています。セミナーで出会ったデザインに関わる人々、起業家の人々、それぞれの毎日の努力がこの国をどんな風に変えていくのか、自分は何ができるのか、心の底からワクワクする気持ちをお土産に、帰り道を急ぎました。



今日は朝から猛烈に元気です。笑。





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