Tuesday 31 July 2012

洗濯好きのツボ。

皆様、モイ!
よしこです。

最近、趣味がお洗濯なのでは?と思う程にお洗濯が好きです。
もともと家事の中でも好きなものの上位につけていたお洗濯ですが、夏になって拍車がかかっている様子です。


洗う作業⇒干す作業⇒たたむ作業⇒しまう作業⇒洗う作業、と延々に続くこのサイクルのどこも気持ちよく感じますが、特にたたむ時は最高!洗濯物の種類、色、柄、傷み具合などを手で確認しながら乾いた洗濯物を同じ形に整理して並べていくと、心がすっきりするような気がします。笑。


フィンランドでは郊外の戸建、中庭が整備されている集合住宅などで物干し竿の洗濯風景が見られます。
それ以外の住宅環境では、乾燥機を利用したり室内で乾燥させたりという方法が一般的。ウチも、室内乾燥です。

日本はベランダやお庭で、外に干すのが一般的ですよね?
特に夏の今は太陽サンサンで乾きも早いのではないでしょうか?想像するだけで気持ち良いです。笑。


そんな洗濯好きのツボを刺激しまくったアイテムを最後にご紹介します。


↑コレです。お洗濯の色移りを防ぐシート。

日本でも販売されているようですが、皆さんはご利用になっていますか?



中には厚手のティッシュのような白いシートが入っています。これをお洗濯の時に入れると、万が一色落ちする物があっても他のものに色移りする前に吸い取ってくれるのです!(←なんで私が自慢口調なんでしょうね。私が開発したわけでもなく、開発した会社にも全く無関係なのですけれど。苦笑。)

先日友人宅で洗濯させてもらうことがあった時、初めてこのシートを見た私にも同じ口調で効果を伝えてきた友人。笑
自慢したくなる逸品なのですね。




今朝のお洗濯では、白いテーブルクロスとタオル、カラフルなシーツ類を一緒に60℃で洗いました。
で、出て来たシートはこんな感じです。




危ない、危ない。白いテーブルクロスがグレーになるところでした。笑。



白いものだけ分けて洗えれば良いのですが、十分な洗濯量になるまで「白待ち」するのもイヤですし。
少量の白いものをザブザブ洗うのも、水と電気がもったいないですし。
全部まとめて一緒に洗えるのは、色々気にしなくて良くてさらに気持ちよし!です。


ちなみにこのアイテム。
全くフィンランドのものではありません。笑。ドイツのメーカーのものです。


明日もお洗濯が楽しみです♪



Monday 30 July 2012

デザイン家具、本物とコピー商品の違いは?

皆様、モイ!
よしこです。

新しい1週間が始まりましたね。
週末は気象庁から「Trooppista.(=熱帯的な気候。)」とつぶやきが出る程の湿気と気温だったフィンランド。今日はまた過ごし易い肌寒さに戻りました。油断せずに水分を取って、今週も元気に過ごしたいところです。


随分前のことになってしまうのですが、6月の末にヘルシンギンサノマット紙(Helsingin Sanomat)に掲載されたある記事についてご紹介します。デザイン家具と呼ばれる高価な家具を真似て製造されるコピー商品が本物とどう違うのかを調査したこの記事、大見出しは「Tuoleissa on eroja(椅子には違いがある。)」


面白い記事はスクラップしておくのですが、同時にツイッターでつぶやくこともあります。ちょうど↑の記事もツイッターでつぶやいたところ「どんな内容ですか?」とのお言葉をいただきました。で、今回のブログ記事に至ったというわけです。ツイッターでこうして反応をいただけるのはとても嬉しいので、はりきります。笑。



↑こちらが、記事。


今回登場したコピー商品は、もちろん合法的に販売されているものです。
スウェーデン出身のレナート・ニューベルグ(Lennart Nyberg)氏が運営するDesigners Revoltというwebショップがその販売元。イギリスの企業です。

各国にて制定されている設計者・デザイナーのコピーライト保護期間。
フィンランドではデザイナーの死後70年間はコピーライトが保護されるので、この期間はコピー商品製造が違法になります。このコピーライト保護期間が短く制定されているイギリスに本拠を置くことで、この会社でのコピー商品は合法というわけです。フィンランドを代表するデザイナー、エーロ・アールニオ(Eero Aarnio)氏のボールチェアもご本人がご健在ながら↑のウェブショップでコピー版を入手することができます。


Designers Revoltの発するメッセージ、「破格なお値段で、オリジナル品質の定番デザインを」が本当なのかどうかをこの新聞記事が分かり易く解説してくれています。解説担当は、木工職人マルコ・ヴァルヨス(Marko Varjos)氏。エデュケーションセンターSalpausや、デザイン教育の名門ラハティデザインインスティテュートで教鞭を取る指導者でもあります。


Designers Revoltで販売されている商品の中から、今回の調査に選ばれたのはデンマークのデザイン家具。ハンス・ウェグナーが1949年にデザインしたCH24と、アルネ・ヤコブセンが1955年にデザインしたセブン・チェアです。

見た目、解体分析、重量実験などを経て分かったポイントは以下の通り。


【CH24】
デンマーク価格例:700€
フィンランド価格例:1120€
Designers Revolt価格例:373,10€(配送料含む)

・仕上げが違う。
(現行品はソープフィニッシュ、ナラ材。コピー品はナチュラル、ナラ材。)

・座面の高さが全く違う。
(現行品は44-45cm、コピー品は42cm。現行品は時代に合わせ15年前に座面を2cm高くしたそうで、コピー品はオリジナルのままを再現していることになる。)


・背面の品質が違う。
(現行品はナラ材1枚から背面作り出しているが、コピー品はナラ材3部を組み合わせた作り。)
⇒製造行程を考えると、現行品では1枚から背面を作るのに成功せず無駄になる木材が大量に出ることが想像できる。


・脚の木材選定基準が違う。
(現行品は、木目や色合いを考慮して脚のナラ材を吟味して選定している可能性が高い。)


・背面等考慮すると品質としてはコピー品が劣るが、「日常に使う家具」としてはコピー品も良質と言える。(現行品は品質が余分に高いとも言える。)




【セブン・チェア】
デンマーク価格例:360€
フィンランド価格例:374€
Designers Revolt価格例:214,70€(配送料含む)

・仕上げ素材が違う。
(現行品はアッシュ材仕上げ。コピー品はナラ材仕上げ。)

・内部素材が違う。
(現行品はブナ材の一種。コピー品はおそらくアジア産の柔らかい木材。)

・見た目が違う。
(現行品は木目が映えるマットな質感。コピー品は木目がまばらに見え、表面にビニールのようなつやが出ている。)

・重量が違う。
(現行品と比べ、コピー品は非常に重い。脚に利用している金属の違いも影響している可能性が高い。)

・耐久性が違う。
(脚を取り外し、座面と背面のカーブが山になるように地面に設置した場合、現行品は95kgに耐えられたが、コピー品は耐えられず割れた。)

・脚の取り付け部分に品質の違いがある。
(現行品の方がコピー品より良品質)

・コピー品の品質は現行品に近いとも言い難い程低い。





それぞれの調査項目について詳細な写真も紹介されていて、非常に面白かったです。





「デザイン」というものについて、改めて考えさせられる今回の記事。
飾って眺めて楽しむものならば、コピー品もほとんど遜色はないのかもしれません。しかし、「家具は使う人の生活に馴染んで初めてその役目を果たすもの」と考えるのならば、コピー品は家具デザイン自体を冒涜しているとも言えます。

何でもそうかもしれませんが、使う人に対して真剣に向き合った末に生まれたものが、結局は人の心を動かすような気がします。この真剣な作り手の気持ちに対して、数百ユーロを払うか?払わないか?デザインが発達すると、使う側も発達するように求められるのかもしれませんね。



〈参照記事:Helsingin Sanomat B5 "Kopiohuonekalut", Perjantaina 22. Kesäkuuta 2012〉

Saturday 28 July 2012

夏の旅、最終日。[カンガサラ→タンペレ→ハメーンリンナ→ヘルシンキ]

皆様、モイ!
よしこです。

カンガサラでゆっくりした翌日は旅の10日目、最終日でした。
旅を振り返ったり、残りの時間を惜しんだりしたかったのですが、朝からバタバタと移動。
おかげで友人との別れも悲しくならずに済みました。笑。

タンペレ(Tampere)、ハメーンリンナ(Hämeenlinna)で用事を済ませてお昼過ぎにはヘルシンキへ。
ヘルシンキが近くなると車のラジオにもRadio Helsinkiの電波が入るようになりました。




特に普段からRadio Helsinkiのファンというわけではないのですが、なんとなく嬉しいのが不思議です。
旅の間にたまったヘルシンキでのお仕事や家のことなど、今すぐにでも取りかかりたいようなエネルギーが沸々とわいてきました。

ヘルシンキの街中に入った時の安心するような気持ちを、忘れずにいようと思います。
今のところは、ヘルシンキが私のホームだという証拠なので。


旅の片付け(コレ、旅の準備と同じくらい私の好きな作業です。笑。)も一段落したところで、今回のルートを書き出してみました。赤い点は都市の大きさを、ルートは日替わりで色を変えました。




コンピューターで作成すればもっと正確なものが短時間でできるのは承知なのですが、どうしても手で私の居た場所を把握したくて手書きです。「しかもこれを写真に撮っている時点で縮尺やら何やらめちゃくちゃなのでは?」という点にお気づきの方がいらっしゃいましたら、心の中でつっこんでやってください。苦笑。



10日間の走行距離は1676km。あちこち随分走った気持ちでしたが、フィンランドからすれば「まだ南のちょこっとしか走ってないじゃないよ。」という感じでしょうね。おそらく。



改めて、フィンランドを分かったつもりになるのはまだ早いなあと実感です。
柔らかくて、素朴で、不思議な国。もっともっと知りたくなってきます。

夏の太陽からも、延々と続く(ように思えた)道からも、大きなエネルギーを貰うことのできた旅でした。




旅の日記は今日で終了です。
「長いよ〜。飽。」と思いながらも記事をご覧くださった皆様、どうもありがとうございます。


来週月曜日からは通常のブログに戻ります。
皆様、良い週末をお過ごしください!



Friday 27 July 2012

フィンランドの夏の味。[カンガサラ]

皆様、モイ!
よしこです。

カンガサラ(Kangasala)に到着した翌日は、どこにも移動せずにひたすらリラックス。

朝起きると、友人はすでに一仕事終えた後!
いちご畑にいちごを摘みに行ってきたそうで、せっせと保存処理をしていました。



スライスして砂糖をまぶして冷凍したり。
何も加えずにハンドミキサーで潰して冷凍したり。
ジャムにするために下処理をしたり。

お休みの日だというのによく働く友人です。私は「すごいね〜。」と言いながら見学。「すごいね〜。」と「へえ、すごいねえ。」の合間にいちごを横からひとつまみ。もぐもぐ。

朝ご飯にもいちごを。



散々食べた後は、苦笑、家の近所に借りているレンタル畑にお手伝いしに行きました。
ひろびろ〜。




区切られた畑は色々な人が色々なものを育てていましたが、だいたいどこの畑にも猛烈に茂っていたのがラパルペリ(raparperi:ルバーブ)。



「このままじゃダメになっちゃうから。」というお言葉に甘えて少し分けてもらいました。


他に、レティーシ(retiisi:ラディッシュ)も収穫しました。土からぽこぽこと出てくる、小さな赤いレティーシ。かわいいですね。



夕方にはお散歩しながら近所のレストランに食事に。(食べてばっかりです。笑。)
すごーく素敵なレストランだったのですが、カメラを忘れてしまいました。。。残念。
今度行ったらご紹介したいと思います。



夜はボードゲームタイム!
わーわー言いながら、カンガサラの夜は更けて行ったのでした。


Thursday 26 July 2012

夏の旅、8日目。[ユヴァスキュラ→ヤムサ→カンガサラ]

皆様、モイ。
ヨシコです。


ユヴァスキュラ(Jyväskylä)で用事を済ませて出発した8日目のお昼頃。
崩れかけていたお天気が、一気に雨模様に変わりました。

こんなに暗い空。




「もう一滴でも雨の雫をこぼしてしまったら、ドバーッと降りますよ。」と宣言されているようです。笑。

この黒い雲が不思議と私に安心感を連れてきました。
旅のあいだはとにかく晴天に高い気温が続いていましたので、土の乾きを心や体も感じていたのかもしれません。

「思う存分降ってー!」という願いが届いたのか、笑、ヤムサ(Jämsä)についた午後には土砂降りになりました。


ヤムサでの用事も無事に済んだところで、向かった先はカンガサラ(Kangasala)。
友人が暮らすこの街は、旅の中でもアウェイ感が少ない場所です。後半縺れかけてしまった私の気持ちも体調も、ほっと一安心。笑。


サウナに入って、ビールをぐびっと。



知らない場所に行って、知らなかったことを吸収するのも旅の良さですが、自分が戻ることのできる場所を再確認できるのもまた旅の醍醐味ですね。


お夜食には、今年初のきのこ!友人がジョギング中に見つけた(!)カンタレッリ(kantarelli)をタマネギとバターでソテーしてパンの上に。




いろいろと考えていたことも吹き飛んで、完全復活できました。笑。(←結局、食べ物です。。。)



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〈おまけ〉
ツイッター上で昨日うかがったところでは、京都など37℃の予報がでていたとか。。。
すごく暑いようですね、日本は。

たった1週間の、しかも25℃前後の晴天で「乾燥が・・雨よ〜降れ〜!」と弱音を吐いた自分がかなり弱く思えてきました。苦笑。






Wednesday 25 July 2012

クオピオで号泣。[クオピオ→ユヴァスキュラ]

皆様、モイ!
よしこです。

体調も頭の中もワチャワチャしながら宿泊したクオピオ。
翌朝にはなんとか熱も下がり、フラフラもおさまりました。(睡眠って、すごい!)


朝ご飯を済ませた後は、クオピオ(Kuopio)の街をウロウロしました。

ここは私にとって、第四の故郷。
生まれ育った埼玉、フィンランドで最初に暮らしたタンペレ、今暮らしているヘルシンキ。そして、このクオピオには前職の関係で少し暮らしていた時期があったのです。

職場でお世話になった人たちと仲良くしてもらったその家族にも一目会いたかったのですが、夏休みシーズンに予定をあわせるのはとても無理!ということで、せめて街だけでもゆっくり眺めたかったのです。


私がクオピオに暮らした時期が真冬だったこともあり、夏の今訪れると非常に不思議な感覚に陥りました。同じ場所なのですが、景色も見える色も全く違うのです。

ただ、いつも人がほとんどいなかった街の広場が、夏でも静かだったり。
お仕事の後にご褒美として足を運んだ小さな映画館がそのまま古い看板を掲げていたり。
ヘルシンキからの列車(※1)で深夜にクオピオに到着した時、悲しげに見えたエルビス・プレスリー(※2)が元気そうだったり。

※1 週末はヘルシンキで別のお仕事をしていたので、毎週末ヘルシンキに滞在していたのです。当時は。
※2 街のピザ屋さんの前にいたのです。プレスリーの像が。


当時の自分がすぐそこに出てきそうで、なぜかドキドキしました。


そして向かったプイヨントルニ(Puijon torni:プイヨタワー)。街全体を見下ろす丘の上の展望タワーです。


一面にグレーな曇り空も、なんとなくこの日の気分に合っていました。



「あの辺かな?オフィスは?」と言いながら窓ガラスに張り付いて凝視。



静かな冬のクオピオで、独り感じていた焦りや誇りが胸に溢れるようで自然に涙が出てきました。


ワイワイと観光中だったドイツからのバスツアーご一行様(おじさま&おばさま)が、オイオイ泣いている私に「ぎょっ」。心配されてしまいました。恥。
そりゃそうですね。展望台で下を見下ろしながら泣く人、怖いですよね。苦笑。



一通り泣き終わってトルニを出るころには、自分でも驚くほど気分爽快!
すっきり、しゃっきりな気持ちでユヴァスキュラへと旅を続けたのでした。




〈おまけ〉
自分でもあの時なぜあんなに涙が出たのか分かりません。
体が弱っていたのもあるのかもしれませんねえ。
体が資本とはよく言ったものです、はい。



Tuesday 24 July 2012

夏の旅、6日目。[コリ→ヌルメス→クオピオ]

皆様、モイ。
よしこです。

大変なことになってしまった6日目。
朝は快調そのものでした。

放し飼いされていた鶏の「コケコッコー!」で起床。
「モー。モー。」という声を聞きつけて母屋の裏側に廻ると、こんな可愛い方々も一緒に暮らしていたのでした。




朝ご飯を食べに母屋に行くと、キッチンの窓からも先ほどの方々がかなり至近距離から見られました。びっくり。




お部屋はかわいいですし。




ご飯は美味しいですし。




なんとも言えない充実感を感じながら母屋を出ようとすると、昨日の子猫のそばに大きめの猫が。そして、子猫の前には・・、ネズミ!!(とても写真を撮れる状況ではなかったので、ここからは皆様のご想像で補っていただければと思います。)

小さなネズミが子猫にもて遊ばれていました。
そして、当然そのまま子猫はお食事の時間に。。。
お食事中の子猫を、満足そうに(?)見つめる猫。


ものすごいショックを受けました。
文字として、情報として猫がネズミを捕まえることや食べることはもちろん知っていましたけれども、恥ずかしながら現実に目にしたのは初めてだったのです。

「かわいそう」とか「気持ち悪い」とか、そういうものとは全く種類の違う気持ちなんですが、一言で言うと見ないようにしていた現実を見てしまった感じでしょうかね。衝撃でした。


私は菜食主義というわけでもありませんので、動物の命をいただいて生きているのは自覚しています。
お野菜も、卵も、牛乳も、同じように命をいただいているのだという意識はこれまでもありました。
でも、「自覚」や「意識」というのは、実感として現実を見ることとは大きく違うものなのだというのがこれでよく分かりました。


大人になったと思っていても、分かっていないことだらけなんですね。本当に。
街で生まれ育った人間には良い勉強です。




猫達の前で、私がドン引きして動けなくなっているのを見たオーナーさん。

「あの猫は子猫の親ではないんですよ。でもああして毎日時間になるとご飯を持って現れるのです。すごいでしょう。あはは。」

と心温まるお話をしてくださったのですが、私の心の中は嵐!苦笑。フラフラしながらご挨拶して出発しました。

自然と共に暮らすオーナーさんには、私の嵐は思いも寄らないものだったでしょうね。苦笑。




その後訪れたコリの大自然も、




引き続き美しすぎるマントゥ(mänty:ヨーロッパアカマツ)も。





心は感動しているのですが、なんとも頭の嵐が収まらず。
そうこうしているうちに、なんと本格的に気分が悪くなってしまいました。涙。




ヌルメスからクオピオに至るまでの6日目後半は、ほぼ記憶がありません。笑。
なんとかホテルにたどり着いて、溶けるように休んだその夜。夢の中にも猫が出てきました。苦笑。


結局私の嵐と体調不良は、翌朝まで続いたのでした。


Monday 23 July 2012

夏の旅、5日目。[ヨエンスー→コリ]

皆様、モイ!
よしこです。

新しい週が始まりましたね。
良い1週間になりますように。
私の頭の中は、未だ夏の旅の振り返り中ですが。。。苦笑。


ヨエンスーの街を出た5日目はひたすら北東の方向に進みます。行き先はコリ(Koli)。「コリ国立公園」と言えばより分かり易いでしょうか?フィンランド南部にはない起伏のある土地で見る事のできる絶景は有名ですね。


私もこの絶景を楽しみにしていたのですが、私にとっての「絶景」は実は別にありました。




コレです。マントゥ(mänty)の林。これは植林されたもののようでしたのが、本当は自然のマントゥの森が理想です。

メッツァマントゥ(metsämänty)とも呼ばれるこの木は、ヨーロッパアカマツ。
とにかくまっすぐに育つ松で、白樺と並んでフィンランドでよく見る木です。


これがすーっと立ち並ぶ姿が本当に好きなんですよ、私は。
とにかく美しい!!見ていて気持ちが良いのです。



うっとりしている間にコリに到着。
コリではファームステイ型のB&Bに宿泊しました。

↓左が焚火小屋でその奥が母屋。右が離れです。離れには寝室が3部屋。




↓寝室はこんな感じ。とてもシンプルです。




↓夕食はこの小部屋にある焚火で。。




↓道中で買って来た食材をグリルして簡単にいただきました。





↓子猫もお出迎え。




静かな静かな夜。






お写真では分かりにくいですが、この辺まで来ると起伏ある土地が体で感じられるようになります。
ヘルシンキの広い海とは違って、なんとなく迫ってくるようなコリの風景。眺めているだけでドキドキしてしまいます。(私は埼玉育ちなので、もともと山のある景色を眺めるとドキドキする体質なのです。。。笑。)




と、ここまでは順調順調な旅だったのです。
翌日には大変なことになろうとは、この時の私は知る由もなく・・。

夏の夜は更けていきました。




Friday 20 July 2012

カウリスマキなホテル![ヨエンスー]

皆様、モイ!
よしこです。

ブログを書くのは、私の楽しみです。
今日は気合いをいれなければいけない日だったので、「お楽しみは後に。。いひひ。」と思っていたらもうこんな時間(19:30)。疲。金曜日の最後にやっと漕ぎ着けたお楽しみ。早速書きます。いひーひ。


夏の旅が続く中、モッキを出た日に宿泊したこのホテル!大げさでなく、私にとって特別な場所になりました。

何がそんなに特別かと言うと、フィンランドを代表する映画監督アキ・カウリスマキの舞台そのままのホテルなのですよ。カウリスマキ作品がお好きな方なら「ふふん、ふん、ふん。」と分かっていただけると思います。そうでない方には「ん?」ですね、きっと。苦笑。

街角にありながらこじんまりとしたそのホテルは、1階がバーとレストラン。2階が客室です。
にこりともしないバーテンダーに(カウリスマキ!笑。)予約の旨を告げると、鍵を渡されました。カードキーなんかではない、本当の鍵、です。

2階のお部屋は、いたってシンプル。

ベッドに、





机と鏡。





そして、キャビネット。





これだけです。
トイレはついていますが、シャワーは全室共同。シングル、ツインそれぞれ5部屋ずつしかないので、問題ありません。




もうこの感じだけでかなり幸せ!


さらにお部屋をよーく眺める
と、「すわー!」と心を掴まれるディテールがありました。



興奮しすぎて真っすぐ撮れていませんが、笑、電気のスイッチですね。
真ん中の女性のボタン、何だか分かりますか?

ホテル従業員を呼ぶボタンですね。ホテルが特別だった古き良き時代そのもの!
テープに「Ei käytössä」とある通り、現在は使われていません。


あまりにも素敵なので興奮のままに例のバーテンダーに話を聞きに行くと、1930年代にレストランとしてスタートしたこの場所はすぐに2階がホテルとして使われるようになったのだそう。いわゆる文化的な人が集まるような場所にという信念で作られた場所だそうで、実際に40年代、50年代に国民的人気を誇った歌手オラヴィ・ヴィルタ(Olavi Virta)もここに宿泊したことがあるのだとか。

古い場所なので取り壊しも検討されているそうですが、昔からのファン、文化人、地元の常連さんが反対しているのだそうです。たった一晩で、私も反対派。笑。



夜はもちろん1階のバーで飲みましたよ〜。



この写真、カウリスマキ作品のタイトルにありそうじゃないですか?
赤いテーブルクロスに白でタイトル。(←勝手な上に細かいですね、我ながら。苦笑。)



うっとりしながら、ぐっすり眠りました。


すっかりファンになった私は、翌日のランチにここのレストランも試してみることに。
バーの空気が素敵だったので頼んでみるとランチをバーで食べさせてくれました。



選んだのは、リハプッラ(lihapullat:ミートボール)。
このレストランは伝統的なフィンランド料理を地元食材でサーブすることで有名なのです。
感動の味でした。




ヨエンスー(Joensuu)方面にいらっしゃることがあれば、是非おすすめです!

Wanha Jokela
住所:Torikatu 26, 80100 Joensuu
Tel:+358 (0)10 4228191
※宿泊は要電話予約





〈おまけ〉
実は、このホテルに泊まった後にホテルのことを一番にお話したかった方がいました。東京、吉祥寺にあるカフェmoiの店主さん。この宿泊の直前にツイッター上でカウリスマキ監督について少しお話させていただいたこともあり、なんとなく「ホテル→カウリスマキ→店主さん」のイメージが湧いたのです。とっても変ですが、「店主さん(@moikahvila)ならこのホテルをすごーく気に入ってくださるだろうなあ。」という気持ちになってしまったのです。笑。

とはいえ、突然ツイッターで「ホテルが!」と送りつけるのもためらわれ・・。
この記事を書く事で、伝えられなかった事がなんとか私の心から出て行きました。胸のつかえが取れました。笑。すっきり。

Thursday 19 July 2012

夏の旅、4日目。[サイマー湖畔]

皆様、モイ。
よしこです。

今日の記事は風景写真集のようになってしまうかもしれません。
旅の4日目は夕方までモッキ(mökki:コテージ)でのんびりしていたので、ほとんど動いていないのです。笑。


朝早くから仕事(ペンキを塗ったり、薪を割ったり・・)を張り切る友人の親戚。
湖の向こう岸のモッキに住むご近所も、今朝獲れたクハ(kuha:お魚の名前)をお裾分けに来ておしゃべり。

賑やかな外の空気で私も随分早く目が覚めました。笑。起きた瞬間から楽しい気分。素敵です。



基本的にモッキでは自分のプロジェクト(お掃除、薪割り、ペンキ塗り、など)を進める以外は「何もしない」という状態を楽しむもの。私も朝ご飯の片付けまで済ませた後は何も決めずに時間を過ごしました。




ブルーベリーを摘んで食べたり。





桟橋で寝転がって読書をしたり。そのまま眠ったり。。。





ハンモックでブラブラしたり。そのまま眠ったり。。。



友人の親戚のお手伝いで薪割りをしたり。。。
小舟を漕いで島を一周したり。。。



本当に静かな時間で、心が落ち着きました。
この日ばかりはお仕事も忘れて、ひたすら「何もしない」を実践。気持ちよい体験でした。


↓静かな様子をお伝えしたくて桟橋でコロコロしている間に動画なんて撮ってみたんですけどね。風の音が少し入っていますね。常にこんな状態なでした、今回のモッキ。(子供がいるとまた違うのでしょうけれどね。)






うっかりして全然建物の写真がありませんでしたが、撮れていたお写真の中にぎりぎり写っていたものをご紹介。




↓右が母屋で左がゲストハウス。ゲストハウスの裏に別棟のトイレがあります。





例の頑丈なコタ。



サウナ小屋は撮れていませんでした。残念。





一般的なお話ですが、モッキには必要最低限の設備しか作りません。
今回も水道は湖の水を引いたもののみ。飲み水は対岸のご近所さんにある井戸水を汲みに小舟で出かけて確保します。電気は10年前に通したそうで、今は使えました。ガスは最低限のものがついている程度。

水洗トイレではなく、エコトイレ。
電気が無かった頃は、地面に作る天然冷蔵庫で食物を保管。
サウナは電気ではなく薪サウナ。
サウナにシャワーは無いので、湖の水を温めたものを水で割って桶毎に適温を作ります。
体を洗う時は、小さな桶で頭から流す。大勢でサウナに入っている時は、流し合う。


不便。不便なのですよ、コレが。
何をするにも自分でするので、手間も時間もかかります。当然最小限で済ますようになります。

例えばサウナの「自分シャワー」。
髪と体を洗って流すのに、私は中くらいの桶2杯もあれば十分だということが体験として分かりました。
シャワーを流していれば桶2杯分では済まないことを考えると、自然と普段の生活を省みるようになります。


この「不便」な状態。今の私が感じるモッキの神髄はコレです。

フィンランドの人々が、夏休みになるとモッキに移り住む理由が少し分かるような気がしました。
便利快適な普段の生活を見つめ直すと同時に、自分の手でどこまで生活できるかの実感を確認したいのかもしれません。




みんなで作った遅めのランチは、ご近所さんがお裾分けしてくれたお魚のソテーと新じゃがいも。
静かで、豊かな、特別な一日になりました。


Wednesday 18 July 2012

夏の旅、3日目の夜。[サイマー湖畔]

皆様、モイ!
よしこです。

ささっと4日目へ進みたいところですが、しつこく3日目が続きます。苦笑。
とても素敵な夜だったので、忘れたくないのです。お付き合いいただければ嬉しいです。


サヴォンリンナ(Savonlinna)を出発して向かった宿泊先は、サイマー湖(Saimaa)。フィンランド最大の湖で表面積は4380㎢もあるのです。東京ドーム93680個分!みたいですヨ。(←一度コレを言ってみたくて、わざわざ計算しました。笑。)全く実感として何も伝わりませんね。「大きい!」ということですが。。

サイマー湖に浮かぶとある島に建設中の、友人の親戚のモッキ(mökki:コテージ)が宿泊地。
陸を行けるところまで車で進んだ後、ボートで迎えに来てもらいました。




「建設中」と書きましたが、約20年前にこの島の一部を購入した家主がすこーしずつ自分の手で建物を建てていったのがこのモッキ。最初はサウナ小屋を作り、母屋を作り、トイレを作り、今はゲストハウスを建てたところだそうです。図面は息子さんがひいて(←建築関係のお仕事をされているそうで・・)、建てるところは専門家が、ペンキ塗りから改良、メンテナンスは自分で、という手法とのこと。

こういうスタイル、フィンランドではとても多いです。
「自分のモッキを所有すること=第二の職業を持つ」と冗談で言うほどに、モッキやモッキ用の土地を購入した人は仕事の後が忙しい!笑。コツコツ自分のお城を作るようなものでしょうか。モッキは大人の趣味なのかもしれませんね。私は建てられたモッキに滞在するほうが好きですけどね。笑。


島に着いてから湖をパチリ。




ちょうど同行していた友人はこの建築プロジェクトを手伝ったそうで、「あの柱は10年くらい前に自分で塗ったんだよねえ。」と。思い出で出来上がっているようなモッキ。素敵ですねえ。


話は尽きないので、そのままサウナへ。
ふざけてみんなで広告的な写真の撮り合いっこをしました。笑。SCOPEさんのタオルとKarjalaビールでパチリ。




夕食はコタ(kota)で焚火を囲みながら。


このコタも手作りなんですって!数年前の大嵐にもびくともしなかった屋根。すごい!!



月が出て来たところで、名残惜しいながらも「おやすみなさい」。





新作の、笑、ゲストハウスに泊まらせてもらいました。まだ木の香りがするお部屋の壁も数年後には良い色に変わっているのでしょうね。


良い一日でした。

















Monday 16 July 2012

夏の旅、3日目。[ユヴァ→スルカヴァ→サヴォンリンナ]

皆様、モイ!
よしこです。


羊に後ろ髪を引かれる思いでなんとか出発した3日目。
まず向かったのは、スルカヴァ(Sulkava)です。




ちょうどこの翌日からボートの大会が予定されていたので、小さな町がワクワク&ソワソワな空気に包まれていました。このボートの大会はアマチュアの団体(職場のグループや学生のチーム)も参加できる枠があるそうで、なんだか楽しそう!


そういえば。。。
私が通っていた高校はボート部が強かったんですよね。体格が比較的大柄なので入学早々ボート部の勧誘ラッシュに遭った思い出があります。

つるりと健康的に日焼けした先輩達に、「ボート、楽しいよ!」と言われて入部しそうになった私。
結局自分の自由時間欲しさに諦めたんでしたっけ・・。

「あの時勢いででも入部していたら、この景色を見て別の血が騒ぐのかしら?」なんてことをぼーっと考えたスルカヴァでした。笑。


あ。そういえば、スルカヴァにはマリメッコのファクトリーがあります。
テキスタイル染めや服飾、インテリアのファクトリーとは別の、バッグをメインにしたファクトリー。
ファクトリーアウトレット目当てで立ち寄ってみると、かわいいファクトリーが稼働中でしたよ。




気になるアウトレットですが、バッグ自体はそこまで安くなっていなかったので「ふ〜ん。」と。
なぜかシャツやらスカーフやらを購入。笑。

ただ、バッグの布地はかなーりお安かったです。あの分厚い布地、ふつうのミシンでも縫えるのでしょうかね。こういう時、製作意欲だけでなく技術も伴う人が羨ましくなります。。。



お昼が近づいた頃、次に向かったのはサヴォンリンナ(Savonlinna)。
サヴォンリンナと言えば国際的にもかなーり有名なのは、夏のオペラフェスティバル。古城オラヴィンリンナ(Olavinlinna)で行われるオペラ公演は、正装で古城に赴く観劇者も含めて一つの風物詩となっています。


↑オラヴィンリンナの外壁側からパチリ。中もひんやり重厚でした!


「古城でオペラ、きっとすごく素敵なのだろうなあ。」と興味はありつつも、私は行ったことがありません。

ちょうど私の滞在日の翌日から今年のフェスティバルが始まる予定だったので、街はすでにすごい賑わいでしたよ。聞くところによると、街の宿泊施設は満室を超す勢いで予約争奪戦なんだとか。。。

「来年の夏はフィンランドにオペラを観に行きたい!」という方、いらっしゃいましたら是非早めにオフィスウタノまでご相談ください。ホテルもチケットもばっちり確保しますので。なんなら私もドレスアップしてご案内として同行しますので。笑。


「オペラ、いいなあ。」とひとしきりうっとりした後は、やっぱり美味しいものに目がいきます。笑。

広大な湖水から獲れる小魚、ムイック(muikku)に粒子の細かいパン粉をはたいてバターソースで鉄板焼き。新鮮なムイックが獲れる地方でしか食べられない味です。




ムーシ(muusi:マッシュポテト)を添えてサーブするのは一般的ですが、ここのお店は更に甘いタマネギソテーがたっぷりのっていました。レモンをたっぷり絞っていただくと、言葉を失くすほど美味。秒速で食べ終わってしまいました。笑。

サヴォンリンナでは、Hotel Seurahuoneの最上階テラスレストランでいただくムイックが最も有名。
私もトライしたのですが、なんと2時間待ち!泣く泣く諦めました。

お食事に限らず、「サービスのために並ぶ」という習慣が定着していないフィンランドでは異例の状況です。オペラ効果にも、ムイックにも、驚きました。苦笑。「行き当たりばったりな旅でなかったら予約をして行ったのに!」と悔やまれましたが、これは「来年オペラを観に戻って来なさい」という意味ですね、きっと。(←都合の良い解釈。笑。)


お散歩して最後に食べたおやつは、ロルツ(lörtsy)。
これもこの地方の名産なので、ヘルシンキではほとんど見かけません。

カフェで、というより屋台でテイクアウトするような存在です。



お食事にもなるお肉フィリングの他、デザートになるいちご、りんご、ベリーなどの甘いタイプもあるので、私はりんご味をセレクト。


揚げパンにりんごジャムが入っている感じでしょうかね。薄ーくペラペラしているので、見た目程重量感は無いのです。ペロッといただいて元気が回復したところで3日目の宿泊地に向かいました。