皆様、モイ。
よしこです。
こちらに書いた通り、昨日はぐずついた雨降りの一日。
そんな日に限って、友人に頼んでいた荷物の伝票が届いていました。
受取に署名が必要な郵便だったので、雨が止んだ隙に郵便局に急ぎました。
郵便っていつどんな時に受け取っても(たとえ自分が注文したお買い物でも、苦笑)、受け取る時はわくわくするものです。それなのに雨だからと言って「なんでこんな日に・・」と思ってしまった自分に悲しくなりながら、荷物をかついで無事帰宅。
(そもそも、雨が嫌なら別の日でも良かったんですけれどね。心が狭くなっている時は物事の見える範囲も狭まっているのかもしれません。。。苦笑。)
大きい荷物だったのですよ、これが。
時間をかけてガサガサ中味を開けている時に、思いがけずポロッと出て来たのがこのプチギフト。
マッチ箱よりも少し大きいくらいのお菓子の箱が二つ。中味はグミキャンディです。
パッケージには、ちびのミィ(Pikku Myy:ピックミュー)と、フローレン(Niiskuneiti:ニースクネイティ)。
フローレンのパッケージ、見えますか?
雨の中を急ぎ足で歩いています。「まるで今日の自分のよう・・。」と、笑ってしまいました。
まさか受取の日のお天気を予測したわけではないでしょうが、友人の心遣いで一気に心が軽くなりました。感謝です。
ちなみに、パッケージ上部もかわいい絵が描いてありましたよ。
なんだかもったいなくて、まだ箱を開けられずにいます。笑。
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Tuesday, 4 September 2012
Thursday, 2 August 2012
30歳。
皆様、モイ!
よしこです。
突然ですけれど、美容院問題ってありますよね。
美容院で過ごす時間に関する悩みや、「こうしてくれたらいいのに。。」という美容院への希望とか。
はたまた「お気に入りの美容院が見つからない!」とか。
大きいものから小さいものまで、人それぞれあるのではないかな・・と想像します。
(「そんなのないよ!」という方にとっては、今日の記事は完全に私の独り言にしか聞こえないと思います。苦笑。)
私の美容院問題は、「梳くスキル」です。
ハンナという美容師さんのところに、もう随分長く通っています。
(ココに書いたのは日本で浮気して通った美容院です。)
最近では、カウリスマキ的というかなんというか、ほとんど言葉を交わさずにカットが終わることもあります。
ハンナ 「モイ。」
よしこ 「モイ。」
ハンナ 「減らす?」
よしこ 「うん。」
これで作業開始です。笑。本当に。
日本人としても多くて硬いのが私の髪。
フィンランドの人の目には、超人的なボリュームに映るようです。
対して猫っ毛でボリュームもそれほど多くない髪が主流なフィンランド。
想像に難くないですが、「梳く」という技術がそれほど一般的でないようです。
「梳いて〜」とお願いしても、ほとんど一直線に切られてしまうことが続いた経験から、ハンナに「梳く」という技術を本格的に覚えてもらおうと決心したわけです。(誤解の無いように説明します。こちらの美容師さんも梳く技術自体はご存知です。ただ活躍の機会が少なすぎるために感覚として分かってもらえない状態なのです。)
細かく説明していた数年前から考えると随分進歩してきたハンナの「梳くスキル」。私たちの意思疎通も信頼する気持ちも徐々に育っている実感があります。
とはいえ、私の美容院問題はまだ完全には解決していません。
ハンナ、これからも一緒に頑張ろう!笑。
実験台(練習台?)とも言える私の髪の毛。ここでご披露!といきたいところですが、恥ずかしくてとてもアップできません。苦笑。代わりと言ってはおかしいですが、オフィスウタノのAboutのページには常に私の写真が掲載されるようにしています。(これまでの正面が恥ずかしくなったので、横顔に画像を変えました。笑。)ハンナの努力の成果を、是非チラッとご覧ください。笑。
さて。今日も最後に記事と無関係のお写真をご紹介します。
今日から30年前の1982年8月2日に運行開始となったヘルシンキのメトロ。
30歳の誕生日を祝う新聞記事がありました。
〈参照記事:Helsingin Sanomat A9 "Kaupunki", Torstaina 2. Elokuuta 2012〉
紆余曲折を経て30歳まで頑張ってくれたメトロ。
2010年から開始された西側へのルート延長工事は2015年に竣工の予定です。
これからもお世話になります。
よしこです。
突然ですけれど、美容院問題ってありますよね。
美容院で過ごす時間に関する悩みや、「こうしてくれたらいいのに。。」という美容院への希望とか。
はたまた「お気に入りの美容院が見つからない!」とか。
大きいものから小さいものまで、人それぞれあるのではないかな・・と想像します。
(「そんなのないよ!」という方にとっては、今日の記事は完全に私の独り言にしか聞こえないと思います。苦笑。)
私の美容院問題は、「梳くスキル」です。
ハンナという美容師さんのところに、もう随分長く通っています。
(ココに書いたのは日本で浮気して通った美容院です。)
最近では、カウリスマキ的というかなんというか、ほとんど言葉を交わさずにカットが終わることもあります。
ハンナ 「モイ。」
よしこ 「モイ。」
ハンナ 「減らす?」
よしこ 「うん。」
これで作業開始です。笑。本当に。
日本人としても多くて硬いのが私の髪。
フィンランドの人の目には、超人的なボリュームに映るようです。
対して猫っ毛でボリュームもそれほど多くない髪が主流なフィンランド。
想像に難くないですが、「梳く」という技術がそれほど一般的でないようです。
「梳いて〜」とお願いしても、ほとんど一直線に切られてしまうことが続いた経験から、ハンナに「梳く」という技術を本格的に覚えてもらおうと決心したわけです。(誤解の無いように説明します。こちらの美容師さんも梳く技術自体はご存知です。ただ活躍の機会が少なすぎるために感覚として分かってもらえない状態なのです。)
細かく説明していた数年前から考えると随分進歩してきたハンナの「梳くスキル」。私たちの意思疎通も信頼する気持ちも徐々に育っている実感があります。
とはいえ、私の美容院問題はまだ完全には解決していません。
ハンナ、これからも一緒に頑張ろう!笑。
実験台(練習台?)とも言える私の髪の毛。ここでご披露!といきたいところですが、恥ずかしくてとてもアップできません。苦笑。代わりと言ってはおかしいですが、オフィスウタノのAboutのページには常に私の写真が掲載されるようにしています。(これまでの正面が恥ずかしくなったので、横顔に画像を変えました。笑。)ハンナの努力の成果を、是非チラッとご覧ください。笑。
さて。今日も最後に記事と無関係のお写真をご紹介します。
今日から30年前の1982年8月2日に運行開始となったヘルシンキのメトロ。
30歳の誕生日を祝う新聞記事がありました。
〈参照記事:Helsingin Sanomat A9 "Kaupunki", Torstaina 2. Elokuuta 2012〉
紆余曲折を経て30歳まで頑張ってくれたメトロ。
2010年から開始された西側へのルート延長工事は2015年に竣工の予定です。
これからもお世話になります。
Wednesday, 1 August 2012
納税のよろこび。
皆様、モイ。
よしこです。
時間を見つけてはウニウニ進めていたアルヴォンリサヴェロ(arvonlisävero)の申告&支払手続きがようやく一段落しました。響きは可愛らしいですが、なんのことはない消費税のことです。
個人として消費している分については毎日払っている消費税。
今回手続きをしていたのは、それとは別にオフィスウタノとしての消費税。
オフィスウタノとして販売したコーディネートなどのサービスに関して、企業登録しているフィンランド政府に消費税を納めるわけです。
手続きをしながらいつも思うのですが、税って面白い仕組みですよね。
フィンランドの標準税率は23%。
普通にお買い物をしても、レシートには「Alv 23%」と書いてあったりするのでこちらにいらした方なら目に留められた方も多いはずです。(※Alv=arvonlisäveroの略)
標準以外の特定品目では、食料品などが13%だったり、乗り物の運賃が9%だったり、とイロイロあります。オフィスウタノでご案内しているサービス料金には基本的に23%の消費税が含まれています。
「なんで特定品目の税率には違いがあるのかしら?」なんて考えだすと、思わずコンピューターの画面が目に入らなくなってぼーっとしてしまいます。笑。
話を戻して納税手続き。。。
運営を開始したばかりでまだヨチヨチ歩きのオフィスですが、額の大小に関わらず納税は納税。
個人として納税している時には意識せずに払っているものの、こうして申告手続きをするとなんとも感慨深いものがあります。
社会に還元される存在としての税を強く感じると共に、自分がその流れの一部になることができたという充足感。会社員だった頃には分からなかった感覚です。感動!
お米を納めに地主さんのところへ出向く昔のお百姓さんもこんな気持ちだったのでしょうかねえ。
・・・。
違いますね、きっと。
消費税以外にも納税義務は生じるので、今後「これも払って、あれも払って・・」となるとこの気持ちが持続するかは謎ですが、苦笑、今のところは「よろこび」の納税です。
税に関するお写真もありませんので、今朝の新聞で目についたニュースを。
HERKKUINDEKSI=おいしいものインデックス、といったところでしょうか。
ハカニエミ市場の価格を参考に、ヘルシンギンサノマット(Helsingin Sanomat)紙が独自に調査した夏の味覚の価格推移です。週ごとに計測されています。
イチゴ(mansikat)は6月19日の1リットル9€から随分価格を下げていますね。最新計測では1リットル4€を割っています。新じゃがいも(uudet perunat)も6月26日の1リットル4€超えから徐々に価格を下げています。
8月からの主役は7月31日に初お目見えしたブルーベリー(mustikka)。出始めの価格は1リットル5,9€です。
嗚呼。夏はおいしいものがいっぱいですからねえ。
ブルーベリーが食卓に並ぶのが楽しみになってきました。
よしこです。
時間を見つけてはウニウニ進めていたアルヴォンリサヴェロ(arvonlisävero)の申告&支払手続きがようやく一段落しました。響きは可愛らしいですが、なんのことはない消費税のことです。
個人として消費している分については毎日払っている消費税。
今回手続きをしていたのは、それとは別にオフィスウタノとしての消費税。
オフィスウタノとして販売したコーディネートなどのサービスに関して、企業登録しているフィンランド政府に消費税を納めるわけです。
手続きをしながらいつも思うのですが、税って面白い仕組みですよね。
フィンランドの標準税率は23%。
普通にお買い物をしても、レシートには「Alv 23%」と書いてあったりするのでこちらにいらした方なら目に留められた方も多いはずです。(※Alv=arvonlisäveroの略)
標準以外の特定品目では、食料品などが13%だったり、乗り物の運賃が9%だったり、とイロイロあります。オフィスウタノでご案内しているサービス料金には基本的に23%の消費税が含まれています。
「なんで特定品目の税率には違いがあるのかしら?」なんて考えだすと、思わずコンピューターの画面が目に入らなくなってぼーっとしてしまいます。笑。
話を戻して納税手続き。。。
運営を開始したばかりでまだヨチヨチ歩きのオフィスですが、額の大小に関わらず納税は納税。
個人として納税している時には意識せずに払っているものの、こうして申告手続きをするとなんとも感慨深いものがあります。
社会に還元される存在としての税を強く感じると共に、自分がその流れの一部になることができたという充足感。会社員だった頃には分からなかった感覚です。感動!
お米を納めに地主さんのところへ出向く昔のお百姓さんもこんな気持ちだったのでしょうかねえ。
・・・。
違いますね、きっと。
消費税以外にも納税義務は生じるので、今後「これも払って、あれも払って・・」となるとこの気持ちが持続するかは謎ですが、苦笑、今のところは「よろこび」の納税です。
税に関するお写真もありませんので、今朝の新聞で目についたニュースを。
HERKKUINDEKSI=おいしいものインデックス、といったところでしょうか。
ハカニエミ市場の価格を参考に、ヘルシンギンサノマット(Helsingin Sanomat)紙が独自に調査した夏の味覚の価格推移です。週ごとに計測されています。
イチゴ(mansikat)は6月19日の1リットル9€から随分価格を下げていますね。最新計測では1リットル4€を割っています。新じゃがいも(uudet perunat)も6月26日の1リットル4€超えから徐々に価格を下げています。
8月からの主役は7月31日に初お目見えしたブルーベリー(mustikka)。出始めの価格は1リットル5,9€です。
嗚呼。夏はおいしいものがいっぱいですからねえ。
ブルーベリーが食卓に並ぶのが楽しみになってきました。
Monday, 30 July 2012
デザイン家具、本物とコピー商品の違いは?
皆様、モイ!
よしこです。
新しい1週間が始まりましたね。
週末は気象庁から「Trooppista.(=熱帯的な気候。)」とつぶやきが出る程の湿気と気温だったフィンランド。今日はまた過ごし易い肌寒さに戻りました。油断せずに水分を取って、今週も元気に過ごしたいところです。
随分前のことになってしまうのですが、6月の末にヘルシンギンサノマット紙(Helsingin Sanomat)に掲載されたある記事についてご紹介します。デザイン家具と呼ばれる高価な家具を真似て製造されるコピー商品が本物とどう違うのかを調査したこの記事、大見出しは「Tuoleissa on eroja(椅子には違いがある。)」
面白い記事はスクラップしておくのですが、同時にツイッターでつぶやくこともあります。ちょうど↑の記事もツイッターでつぶやいたところ「どんな内容ですか?」とのお言葉をいただきました。で、今回のブログ記事に至ったというわけです。ツイッターでこうして反応をいただけるのはとても嬉しいので、はりきります。笑。
↑こちらが、記事。
今回登場したコピー商品は、もちろん合法的に販売されているものです。
スウェーデン出身のレナート・ニューベルグ(Lennart Nyberg)氏が運営するDesigners Revoltというwebショップがその販売元。イギリスの企業です。
各国にて制定されている設計者・デザイナーのコピーライト保護期間。
フィンランドではデザイナーの死後70年間はコピーライトが保護されるので、この期間はコピー商品製造が違法になります。このコピーライト保護期間が短く制定されているイギリスに本拠を置くことで、この会社でのコピー商品は合法というわけです。フィンランドを代表するデザイナー、エーロ・アールニオ(Eero Aarnio)氏のボールチェアもご本人がご健在ながら↑のウェブショップでコピー版を入手することができます。
Designers Revoltの発するメッセージ、「破格なお値段で、オリジナル品質の定番デザインを」が本当なのかどうかをこの新聞記事が分かり易く解説してくれています。解説担当は、木工職人マルコ・ヴァルヨス(Marko Varjos)氏。エデュケーションセンターSalpausや、デザイン教育の名門ラハティデザインインスティテュートで教鞭を取る指導者でもあります。
Designers Revoltで販売されている商品の中から、今回の調査に選ばれたのはデンマークのデザイン家具。ハンス・ウェグナーが1949年にデザインしたCH24と、アルネ・ヤコブセンが1955年にデザインしたセブン・チェアです。
見た目、解体分析、重量実験などを経て分かったポイントは以下の通り。
【CH24】
デンマーク価格例:700€
フィンランド価格例:1120€
Designers Revolt価格例:373,10€(配送料含む)
・仕上げが違う。
(現行品はソープフィニッシュ、ナラ材。コピー品はナチュラル、ナラ材。)
・座面の高さが全く違う。
(現行品は44-45cm、コピー品は42cm。現行品は時代に合わせ15年前に座面を2cm高くしたそうで、コピー品はオリジナルのままを再現していることになる。)
・背面の品質が違う。
(現行品はナラ材1枚から背面作り出しているが、コピー品はナラ材3部を組み合わせた作り。)
⇒製造行程を考えると、現行品では1枚から背面を作るのに成功せず無駄になる木材が大量に出ることが想像できる。
・脚の木材選定基準が違う。
(現行品は、木目や色合いを考慮して脚のナラ材を吟味して選定している可能性が高い。)
・背面等考慮すると品質としてはコピー品が劣るが、「日常に使う家具」としてはコピー品も良質と言える。(現行品は品質が余分に高いとも言える。)
【セブン・チェア】
デンマーク価格例:360€
フィンランド価格例:374€
Designers Revolt価格例:214,70€(配送料含む)
・仕上げ素材が違う。
(現行品はアッシュ材仕上げ。コピー品はナラ材仕上げ。)
・内部素材が違う。
(現行品はブナ材の一種。コピー品はおそらくアジア産の柔らかい木材。)
・見た目が違う。
(現行品は木目が映えるマットな質感。コピー品は木目がまばらに見え、表面にビニールのようなつやが出ている。)
・重量が違う。
(現行品と比べ、コピー品は非常に重い。脚に利用している金属の違いも影響している可能性が高い。)
・耐久性が違う。
(脚を取り外し、座面と背面のカーブが山になるように地面に設置した場合、現行品は95kgに耐えられたが、コピー品は耐えられず割れた。)
・脚の取り付け部分に品質の違いがある。
(現行品の方がコピー品より良品質)
・コピー品の品質は現行品に近いとも言い難い程低い。
それぞれの調査項目について詳細な写真も紹介されていて、非常に面白かったです。
「デザイン」というものについて、改めて考えさせられる今回の記事。
飾って眺めて楽しむものならば、コピー品もほとんど遜色はないのかもしれません。しかし、「家具は使う人の生活に馴染んで初めてその役目を果たすもの」と考えるのならば、コピー品は家具デザイン自体を冒涜しているとも言えます。
何でもそうかもしれませんが、使う人に対して真剣に向き合った末に生まれたものが、結局は人の心を動かすような気がします。この真剣な作り手の気持ちに対して、数百ユーロを払うか?払わないか?デザインが発達すると、使う側も発達するように求められるのかもしれませんね。
〈参照記事:Helsingin Sanomat B5 "Kopiohuonekalut", Perjantaina 22. Kesäkuuta 2012〉
よしこです。
新しい1週間が始まりましたね。
週末は気象庁から「Trooppista.(=熱帯的な気候。)」とつぶやきが出る程の湿気と気温だったフィンランド。今日はまた過ごし易い肌寒さに戻りました。油断せずに水分を取って、今週も元気に過ごしたいところです。
随分前のことになってしまうのですが、6月の末にヘルシンギンサノマット紙(Helsingin Sanomat)に掲載されたある記事についてご紹介します。デザイン家具と呼ばれる高価な家具を真似て製造されるコピー商品が本物とどう違うのかを調査したこの記事、大見出しは「Tuoleissa on eroja(椅子には違いがある。)」
面白い記事はスクラップしておくのですが、同時にツイッターでつぶやくこともあります。ちょうど↑の記事もツイッターでつぶやいたところ「どんな内容ですか?」とのお言葉をいただきました。で、今回のブログ記事に至ったというわけです。ツイッターでこうして反応をいただけるのはとても嬉しいので、はりきります。笑。
↑こちらが、記事。
今回登場したコピー商品は、もちろん合法的に販売されているものです。
スウェーデン出身のレナート・ニューベルグ(Lennart Nyberg)氏が運営するDesigners Revoltというwebショップがその販売元。イギリスの企業です。
各国にて制定されている設計者・デザイナーのコピーライト保護期間。
フィンランドではデザイナーの死後70年間はコピーライトが保護されるので、この期間はコピー商品製造が違法になります。このコピーライト保護期間が短く制定されているイギリスに本拠を置くことで、この会社でのコピー商品は合法というわけです。フィンランドを代表するデザイナー、エーロ・アールニオ(Eero Aarnio)氏のボールチェアもご本人がご健在ながら↑のウェブショップでコピー版を入手することができます。
Designers Revoltの発するメッセージ、「破格なお値段で、オリジナル品質の定番デザインを」が本当なのかどうかをこの新聞記事が分かり易く解説してくれています。解説担当は、木工職人マルコ・ヴァルヨス(Marko Varjos)氏。エデュケーションセンターSalpausや、デザイン教育の名門ラハティデザインインスティテュートで教鞭を取る指導者でもあります。
Designers Revoltで販売されている商品の中から、今回の調査に選ばれたのはデンマークのデザイン家具。ハンス・ウェグナーが1949年にデザインしたCH24と、アルネ・ヤコブセンが1955年にデザインしたセブン・チェアです。
見た目、解体分析、重量実験などを経て分かったポイントは以下の通り。
【CH24】
デンマーク価格例:700€
フィンランド価格例:1120€
Designers Revolt価格例:373,10€(配送料含む)
・仕上げが違う。
(現行品はソープフィニッシュ、ナラ材。コピー品はナチュラル、ナラ材。)
・座面の高さが全く違う。
(現行品は44-45cm、コピー品は42cm。現行品は時代に合わせ15年前に座面を2cm高くしたそうで、コピー品はオリジナルのままを再現していることになる。)
・背面の品質が違う。
(現行品はナラ材1枚から背面作り出しているが、コピー品はナラ材3部を組み合わせた作り。)
⇒製造行程を考えると、現行品では1枚から背面を作るのに成功せず無駄になる木材が大量に出ることが想像できる。
・脚の木材選定基準が違う。
(現行品は、木目や色合いを考慮して脚のナラ材を吟味して選定している可能性が高い。)
・背面等考慮すると品質としてはコピー品が劣るが、「日常に使う家具」としてはコピー品も良質と言える。(現行品は品質が余分に高いとも言える。)
【セブン・チェア】
デンマーク価格例:360€
フィンランド価格例:374€
Designers Revolt価格例:214,70€(配送料含む)
・仕上げ素材が違う。
(現行品はアッシュ材仕上げ。コピー品はナラ材仕上げ。)
・内部素材が違う。
(現行品はブナ材の一種。コピー品はおそらくアジア産の柔らかい木材。)
・見た目が違う。
(現行品は木目が映えるマットな質感。コピー品は木目がまばらに見え、表面にビニールのようなつやが出ている。)
・重量が違う。
(現行品と比べ、コピー品は非常に重い。脚に利用している金属の違いも影響している可能性が高い。)
・耐久性が違う。
(脚を取り外し、座面と背面のカーブが山になるように地面に設置した場合、現行品は95kgに耐えられたが、コピー品は耐えられず割れた。)
・脚の取り付け部分に品質の違いがある。
(現行品の方がコピー品より良品質)
・コピー品の品質は現行品に近いとも言い難い程低い。
それぞれの調査項目について詳細な写真も紹介されていて、非常に面白かったです。
「デザイン」というものについて、改めて考えさせられる今回の記事。
飾って眺めて楽しむものならば、コピー品もほとんど遜色はないのかもしれません。しかし、「家具は使う人の生活に馴染んで初めてその役目を果たすもの」と考えるのならば、コピー品は家具デザイン自体を冒涜しているとも言えます。
何でもそうかもしれませんが、使う人に対して真剣に向き合った末に生まれたものが、結局は人の心を動かすような気がします。この真剣な作り手の気持ちに対して、数百ユーロを払うか?払わないか?デザインが発達すると、使う側も発達するように求められるのかもしれませんね。
〈参照記事:Helsingin Sanomat B5 "Kopiohuonekalut", Perjantaina 22. Kesäkuuta 2012〉
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