Saturday, 28 July 2012

夏の旅、最終日。[カンガサラ→タンペレ→ハメーンリンナ→ヘルシンキ]

皆様、モイ!
よしこです。

カンガサラでゆっくりした翌日は旅の10日目、最終日でした。
旅を振り返ったり、残りの時間を惜しんだりしたかったのですが、朝からバタバタと移動。
おかげで友人との別れも悲しくならずに済みました。笑。

タンペレ(Tampere)、ハメーンリンナ(Hämeenlinna)で用事を済ませてお昼過ぎにはヘルシンキへ。
ヘルシンキが近くなると車のラジオにもRadio Helsinkiの電波が入るようになりました。




特に普段からRadio Helsinkiのファンというわけではないのですが、なんとなく嬉しいのが不思議です。
旅の間にたまったヘルシンキでのお仕事や家のことなど、今すぐにでも取りかかりたいようなエネルギーが沸々とわいてきました。

ヘルシンキの街中に入った時の安心するような気持ちを、忘れずにいようと思います。
今のところは、ヘルシンキが私のホームだという証拠なので。


旅の片付け(コレ、旅の準備と同じくらい私の好きな作業です。笑。)も一段落したところで、今回のルートを書き出してみました。赤い点は都市の大きさを、ルートは日替わりで色を変えました。




コンピューターで作成すればもっと正確なものが短時間でできるのは承知なのですが、どうしても手で私の居た場所を把握したくて手書きです。「しかもこれを写真に撮っている時点で縮尺やら何やらめちゃくちゃなのでは?」という点にお気づきの方がいらっしゃいましたら、心の中でつっこんでやってください。苦笑。



10日間の走行距離は1676km。あちこち随分走った気持ちでしたが、フィンランドからすれば「まだ南のちょこっとしか走ってないじゃないよ。」という感じでしょうね。おそらく。



改めて、フィンランドを分かったつもりになるのはまだ早いなあと実感です。
柔らかくて、素朴で、不思議な国。もっともっと知りたくなってきます。

夏の太陽からも、延々と続く(ように思えた)道からも、大きなエネルギーを貰うことのできた旅でした。




旅の日記は今日で終了です。
「長いよ〜。飽。」と思いながらも記事をご覧くださった皆様、どうもありがとうございます。


来週月曜日からは通常のブログに戻ります。
皆様、良い週末をお過ごしください!



Friday, 27 July 2012

フィンランドの夏の味。[カンガサラ]

皆様、モイ!
よしこです。

カンガサラ(Kangasala)に到着した翌日は、どこにも移動せずにひたすらリラックス。

朝起きると、友人はすでに一仕事終えた後!
いちご畑にいちごを摘みに行ってきたそうで、せっせと保存処理をしていました。



スライスして砂糖をまぶして冷凍したり。
何も加えずにハンドミキサーで潰して冷凍したり。
ジャムにするために下処理をしたり。

お休みの日だというのによく働く友人です。私は「すごいね〜。」と言いながら見学。「すごいね〜。」と「へえ、すごいねえ。」の合間にいちごを横からひとつまみ。もぐもぐ。

朝ご飯にもいちごを。



散々食べた後は、苦笑、家の近所に借りているレンタル畑にお手伝いしに行きました。
ひろびろ〜。




区切られた畑は色々な人が色々なものを育てていましたが、だいたいどこの畑にも猛烈に茂っていたのがラパルペリ(raparperi:ルバーブ)。



「このままじゃダメになっちゃうから。」というお言葉に甘えて少し分けてもらいました。


他に、レティーシ(retiisi:ラディッシュ)も収穫しました。土からぽこぽこと出てくる、小さな赤いレティーシ。かわいいですね。



夕方にはお散歩しながら近所のレストランに食事に。(食べてばっかりです。笑。)
すごーく素敵なレストランだったのですが、カメラを忘れてしまいました。。。残念。
今度行ったらご紹介したいと思います。



夜はボードゲームタイム!
わーわー言いながら、カンガサラの夜は更けて行ったのでした。


Thursday, 26 July 2012

夏の旅、8日目。[ユヴァスキュラ→ヤムサ→カンガサラ]

皆様、モイ。
ヨシコです。


ユヴァスキュラ(Jyväskylä)で用事を済ませて出発した8日目のお昼頃。
崩れかけていたお天気が、一気に雨模様に変わりました。

こんなに暗い空。




「もう一滴でも雨の雫をこぼしてしまったら、ドバーッと降りますよ。」と宣言されているようです。笑。

この黒い雲が不思議と私に安心感を連れてきました。
旅のあいだはとにかく晴天に高い気温が続いていましたので、土の乾きを心や体も感じていたのかもしれません。

「思う存分降ってー!」という願いが届いたのか、笑、ヤムサ(Jämsä)についた午後には土砂降りになりました。


ヤムサでの用事も無事に済んだところで、向かった先はカンガサラ(Kangasala)。
友人が暮らすこの街は、旅の中でもアウェイ感が少ない場所です。後半縺れかけてしまった私の気持ちも体調も、ほっと一安心。笑。


サウナに入って、ビールをぐびっと。



知らない場所に行って、知らなかったことを吸収するのも旅の良さですが、自分が戻ることのできる場所を再確認できるのもまた旅の醍醐味ですね。


お夜食には、今年初のきのこ!友人がジョギング中に見つけた(!)カンタレッリ(kantarelli)をタマネギとバターでソテーしてパンの上に。




いろいろと考えていたことも吹き飛んで、完全復活できました。笑。(←結局、食べ物です。。。)



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〈おまけ〉
ツイッター上で昨日うかがったところでは、京都など37℃の予報がでていたとか。。。
すごく暑いようですね、日本は。

たった1週間の、しかも25℃前後の晴天で「乾燥が・・雨よ〜降れ〜!」と弱音を吐いた自分がかなり弱く思えてきました。苦笑。






Wednesday, 25 July 2012

クオピオで号泣。[クオピオ→ユヴァスキュラ]

皆様、モイ!
よしこです。

体調も頭の中もワチャワチャしながら宿泊したクオピオ。
翌朝にはなんとか熱も下がり、フラフラもおさまりました。(睡眠って、すごい!)


朝ご飯を済ませた後は、クオピオ(Kuopio)の街をウロウロしました。

ここは私にとって、第四の故郷。
生まれ育った埼玉、フィンランドで最初に暮らしたタンペレ、今暮らしているヘルシンキ。そして、このクオピオには前職の関係で少し暮らしていた時期があったのです。

職場でお世話になった人たちと仲良くしてもらったその家族にも一目会いたかったのですが、夏休みシーズンに予定をあわせるのはとても無理!ということで、せめて街だけでもゆっくり眺めたかったのです。


私がクオピオに暮らした時期が真冬だったこともあり、夏の今訪れると非常に不思議な感覚に陥りました。同じ場所なのですが、景色も見える色も全く違うのです。

ただ、いつも人がほとんどいなかった街の広場が、夏でも静かだったり。
お仕事の後にご褒美として足を運んだ小さな映画館がそのまま古い看板を掲げていたり。
ヘルシンキからの列車(※1)で深夜にクオピオに到着した時、悲しげに見えたエルビス・プレスリー(※2)が元気そうだったり。

※1 週末はヘルシンキで別のお仕事をしていたので、毎週末ヘルシンキに滞在していたのです。当時は。
※2 街のピザ屋さんの前にいたのです。プレスリーの像が。


当時の自分がすぐそこに出てきそうで、なぜかドキドキしました。


そして向かったプイヨントルニ(Puijon torni:プイヨタワー)。街全体を見下ろす丘の上の展望タワーです。


一面にグレーな曇り空も、なんとなくこの日の気分に合っていました。



「あの辺かな?オフィスは?」と言いながら窓ガラスに張り付いて凝視。



静かな冬のクオピオで、独り感じていた焦りや誇りが胸に溢れるようで自然に涙が出てきました。


ワイワイと観光中だったドイツからのバスツアーご一行様(おじさま&おばさま)が、オイオイ泣いている私に「ぎょっ」。心配されてしまいました。恥。
そりゃそうですね。展望台で下を見下ろしながら泣く人、怖いですよね。苦笑。



一通り泣き終わってトルニを出るころには、自分でも驚くほど気分爽快!
すっきり、しゃっきりな気持ちでユヴァスキュラへと旅を続けたのでした。




〈おまけ〉
自分でもあの時なぜあんなに涙が出たのか分かりません。
体が弱っていたのもあるのかもしれませんねえ。
体が資本とはよく言ったものです、はい。



Tuesday, 24 July 2012

夏の旅、6日目。[コリ→ヌルメス→クオピオ]

皆様、モイ。
よしこです。

大変なことになってしまった6日目。
朝は快調そのものでした。

放し飼いされていた鶏の「コケコッコー!」で起床。
「モー。モー。」という声を聞きつけて母屋の裏側に廻ると、こんな可愛い方々も一緒に暮らしていたのでした。




朝ご飯を食べに母屋に行くと、キッチンの窓からも先ほどの方々がかなり至近距離から見られました。びっくり。




お部屋はかわいいですし。




ご飯は美味しいですし。




なんとも言えない充実感を感じながら母屋を出ようとすると、昨日の子猫のそばに大きめの猫が。そして、子猫の前には・・、ネズミ!!(とても写真を撮れる状況ではなかったので、ここからは皆様のご想像で補っていただければと思います。)

小さなネズミが子猫にもて遊ばれていました。
そして、当然そのまま子猫はお食事の時間に。。。
お食事中の子猫を、満足そうに(?)見つめる猫。


ものすごいショックを受けました。
文字として、情報として猫がネズミを捕まえることや食べることはもちろん知っていましたけれども、恥ずかしながら現実に目にしたのは初めてだったのです。

「かわいそう」とか「気持ち悪い」とか、そういうものとは全く種類の違う気持ちなんですが、一言で言うと見ないようにしていた現実を見てしまった感じでしょうかね。衝撃でした。


私は菜食主義というわけでもありませんので、動物の命をいただいて生きているのは自覚しています。
お野菜も、卵も、牛乳も、同じように命をいただいているのだという意識はこれまでもありました。
でも、「自覚」や「意識」というのは、実感として現実を見ることとは大きく違うものなのだというのがこれでよく分かりました。


大人になったと思っていても、分かっていないことだらけなんですね。本当に。
街で生まれ育った人間には良い勉強です。




猫達の前で、私がドン引きして動けなくなっているのを見たオーナーさん。

「あの猫は子猫の親ではないんですよ。でもああして毎日時間になるとご飯を持って現れるのです。すごいでしょう。あはは。」

と心温まるお話をしてくださったのですが、私の心の中は嵐!苦笑。フラフラしながらご挨拶して出発しました。

自然と共に暮らすオーナーさんには、私の嵐は思いも寄らないものだったでしょうね。苦笑。




その後訪れたコリの大自然も、




引き続き美しすぎるマントゥ(mänty:ヨーロッパアカマツ)も。





心は感動しているのですが、なんとも頭の嵐が収まらず。
そうこうしているうちに、なんと本格的に気分が悪くなってしまいました。涙。




ヌルメスからクオピオに至るまでの6日目後半は、ほぼ記憶がありません。笑。
なんとかホテルにたどり着いて、溶けるように休んだその夜。夢の中にも猫が出てきました。苦笑。


結局私の嵐と体調不良は、翌朝まで続いたのでした。


Monday, 23 July 2012

夏の旅、5日目。[ヨエンスー→コリ]

皆様、モイ!
よしこです。

新しい週が始まりましたね。
良い1週間になりますように。
私の頭の中は、未だ夏の旅の振り返り中ですが。。。苦笑。


ヨエンスーの街を出た5日目はひたすら北東の方向に進みます。行き先はコリ(Koli)。「コリ国立公園」と言えばより分かり易いでしょうか?フィンランド南部にはない起伏のある土地で見る事のできる絶景は有名ですね。


私もこの絶景を楽しみにしていたのですが、私にとっての「絶景」は実は別にありました。




コレです。マントゥ(mänty)の林。これは植林されたもののようでしたのが、本当は自然のマントゥの森が理想です。

メッツァマントゥ(metsämänty)とも呼ばれるこの木は、ヨーロッパアカマツ。
とにかくまっすぐに育つ松で、白樺と並んでフィンランドでよく見る木です。


これがすーっと立ち並ぶ姿が本当に好きなんですよ、私は。
とにかく美しい!!見ていて気持ちが良いのです。



うっとりしている間にコリに到着。
コリではファームステイ型のB&Bに宿泊しました。

↓左が焚火小屋でその奥が母屋。右が離れです。離れには寝室が3部屋。




↓寝室はこんな感じ。とてもシンプルです。




↓夕食はこの小部屋にある焚火で。。




↓道中で買って来た食材をグリルして簡単にいただきました。





↓子猫もお出迎え。




静かな静かな夜。






お写真では分かりにくいですが、この辺まで来ると起伏ある土地が体で感じられるようになります。
ヘルシンキの広い海とは違って、なんとなく迫ってくるようなコリの風景。眺めているだけでドキドキしてしまいます。(私は埼玉育ちなので、もともと山のある景色を眺めるとドキドキする体質なのです。。。笑。)




と、ここまでは順調順調な旅だったのです。
翌日には大変なことになろうとは、この時の私は知る由もなく・・。

夏の夜は更けていきました。




Friday, 20 July 2012

カウリスマキなホテル![ヨエンスー]

皆様、モイ!
よしこです。

ブログを書くのは、私の楽しみです。
今日は気合いをいれなければいけない日だったので、「お楽しみは後に。。いひひ。」と思っていたらもうこんな時間(19:30)。疲。金曜日の最後にやっと漕ぎ着けたお楽しみ。早速書きます。いひーひ。


夏の旅が続く中、モッキを出た日に宿泊したこのホテル!大げさでなく、私にとって特別な場所になりました。

何がそんなに特別かと言うと、フィンランドを代表する映画監督アキ・カウリスマキの舞台そのままのホテルなのですよ。カウリスマキ作品がお好きな方なら「ふふん、ふん、ふん。」と分かっていただけると思います。そうでない方には「ん?」ですね、きっと。苦笑。

街角にありながらこじんまりとしたそのホテルは、1階がバーとレストラン。2階が客室です。
にこりともしないバーテンダーに(カウリスマキ!笑。)予約の旨を告げると、鍵を渡されました。カードキーなんかではない、本当の鍵、です。

2階のお部屋は、いたってシンプル。

ベッドに、





机と鏡。





そして、キャビネット。





これだけです。
トイレはついていますが、シャワーは全室共同。シングル、ツインそれぞれ5部屋ずつしかないので、問題ありません。




もうこの感じだけでかなり幸せ!


さらにお部屋をよーく眺める
と、「すわー!」と心を掴まれるディテールがありました。



興奮しすぎて真っすぐ撮れていませんが、笑、電気のスイッチですね。
真ん中の女性のボタン、何だか分かりますか?

ホテル従業員を呼ぶボタンですね。ホテルが特別だった古き良き時代そのもの!
テープに「Ei käytössä」とある通り、現在は使われていません。


あまりにも素敵なので興奮のままに例のバーテンダーに話を聞きに行くと、1930年代にレストランとしてスタートしたこの場所はすぐに2階がホテルとして使われるようになったのだそう。いわゆる文化的な人が集まるような場所にという信念で作られた場所だそうで、実際に40年代、50年代に国民的人気を誇った歌手オラヴィ・ヴィルタ(Olavi Virta)もここに宿泊したことがあるのだとか。

古い場所なので取り壊しも検討されているそうですが、昔からのファン、文化人、地元の常連さんが反対しているのだそうです。たった一晩で、私も反対派。笑。



夜はもちろん1階のバーで飲みましたよ〜。



この写真、カウリスマキ作品のタイトルにありそうじゃないですか?
赤いテーブルクロスに白でタイトル。(←勝手な上に細かいですね、我ながら。苦笑。)



うっとりしながら、ぐっすり眠りました。


すっかりファンになった私は、翌日のランチにここのレストランも試してみることに。
バーの空気が素敵だったので頼んでみるとランチをバーで食べさせてくれました。



選んだのは、リハプッラ(lihapullat:ミートボール)。
このレストランは伝統的なフィンランド料理を地元食材でサーブすることで有名なのです。
感動の味でした。




ヨエンスー(Joensuu)方面にいらっしゃることがあれば、是非おすすめです!

Wanha Jokela
住所:Torikatu 26, 80100 Joensuu
Tel:+358 (0)10 4228191
※宿泊は要電話予約





〈おまけ〉
実は、このホテルに泊まった後にホテルのことを一番にお話したかった方がいました。東京、吉祥寺にあるカフェmoiの店主さん。この宿泊の直前にツイッター上でカウリスマキ監督について少しお話させていただいたこともあり、なんとなく「ホテル→カウリスマキ→店主さん」のイメージが湧いたのです。とっても変ですが、「店主さん(@moikahvila)ならこのホテルをすごーく気に入ってくださるだろうなあ。」という気持ちになってしまったのです。笑。

とはいえ、突然ツイッターで「ホテルが!」と送りつけるのもためらわれ・・。
この記事を書く事で、伝えられなかった事がなんとか私の心から出て行きました。胸のつかえが取れました。笑。すっきり。